桜の開花発表は皆さんもよくご存知かと思いますが、「アジサイ」にも開花の発表があるんです。観測について高松地方気象台の職員に聞きました。
赤木アナ「きょうはアジサイの観測に来られたんですか?」
気象台職員「こちらのほうでアジサイの観測をしております」
赤木アナ「え、もう満開ですか?」
気象台職員「満開に見えるんですけども、咲いているものは装飾花と呼ばれるもので、実際は真花を観測しております」
おそらく多くの皆さんが花だと思っている部分は装飾花と呼ばれ、「がく」が進化したものです。
(高松地方気象台/江良正純 主任技術専門官)
「かき分けて実際、中の花『真花』が咲いているかどうかを確認しています」
中の付け根にあるのが7ミリほどの小さな花「真花」です。この真花を観測し2、3輪咲いたのを確認すると「開花」発表になります。
(高松地方気象台/江良正純 主任技術専門官)
「10輪以上咲いていますので、もう完全に開花しております」
しかし、2022年は開花の発表ができません。
(高松地方気象台/江良正純 主任技術専門官)
「以前標本木としていたアジサイが枯れてしまいまして、昨年新たに3本ほどアジサイを植樹しております」
新しいアジサイの開花日がこれまでの標本木と違いがないかなどを3年間「比較観測」する必要があります。
(高松地方気象台/江良正純 主任技術専門官)
「どうしても生き物ですので、適切に管理していても枯れてしまったりですとか虫がついてしまって、なかなか標本に適さなくなってしまうことがありますので」
気象台が行っているアジサイや桜の観測は「生物季節観測」と呼ばれるものです。季節の遅れや進み具合、気候の変化を的確にとらえるために行われています。
68年間続いていたツバメの初見をはじめ、高松地方気象台では2020年、22種類の観測をしていました。しかし、都市化が進んだことで気象台の周辺で虫や鳥を観測することが難しくなりました。
そのため、2021年1月からは梅、桜、アジサイ、ススキ、カエデ、イチョウの6つの植物だけの観測になりました。
生き物や植物から夏の訪れを知る指標は今ではアジサイの開花だけです。季節の変化を感じるため、時にはアジサイの「真花」に目を向けてみてはいかがでしょうか?