四国電力は主にオール電化の住宅向けの料金プランを事実上、値上げします。長井社長は29日の会見で利用者に理解を求めました。
(四国電力/長井啓介 社長)
「われわれ頑張ってまいりましたけども、いかんともしがたいということで、このような対応になった」
四国電力は燃料の価格や為替レートの変動を毎月の電気料金に反映させる仕組みを導入しています。
例えば平均燃料価格が1kLあたり2万5000円であれば電気料金からマイナス調整、3万円であればプラスの調整となります。
利用者を保護するために3万9000円を上限に電気料金には転嫁しないようにしていますが、燃料価格の高騰によって2022年4月からは上限を超え続けています。7月は4万7000円でした。
6月までに上限を超えた分の約10億円は四国電力が負担していますが、価格の高騰が続けば2022年度だけで負担額が500億円を超えることも想定されるということです。
そこで四国電力は主にオール電化の住宅向けの電気料金プランについて2022年11月分から上限を撤廃することを決めました。
香川県で対象となるのは約15万世帯です。
代表的なプランで平均的な量を使ったと試算すると1カ月あたり3000円ほどの値上げとなる見込みです。
(四国電力/長井啓介 社長)
「500億円という数字がありましたけれども、極めて大きな負担が予想されているところ、何とか(上限)廃止についてご協力いただきたい」
また、福島第一原発の事故を巡って7月、東京地裁が東京電力の旧経営陣に対して13兆円あまりを支払うよう命じたことについて長井社長は――。
(四国電力/長井啓介 社長)
「現行の仕組みは事業者が無限責任を負うという法制度になっていると。極めて事業者に対して厳しい仕組みになっている。適切な予見性が持てるような仕組みもできれば期待したいというのが本音の思い」