子どもたちの今を伝える「こどもミライパーク」。子育て支援策に力を入れ、日本の中でも屈指の出生率を記録する岡山県奈義町。その奈義町の取り組みをフランス総領事が視察しました。
人口5700人ほどの岡山県奈義町。地域ぐるみで子育てを支える仕組みづくりに力を入れていて、2019年の合計特殊出生率は全国平均の1.36に対して2.95を記録しました。
そんな奈義町を訪れたのは、在京都フランス総領事で子育て支援策に詳しいジュール・イルマンさんです。
まず視察したのは、2017年に町が就労支援の一環で設置した「奈義しごとえん」。「少しの時間でも働きたい」という子育て中の親と企業などの仕事依頼をマッチングさせています。
オフィスには子どもが遊べるエリアがあり、子連れで働くこともできます。
(在京都フランス総領事/ジュール・イルマンさん)
「フランスのシステムは(日本と)だいぶ違いまして、フランスで子どもを産んで仕事を辞める女性は非常に少ない。こうやって仕事をしながら子どもを育てられる制度をつくるのは非常に大切」
イルマンさんが次に視察したのは、2006年に町が設置した子育て支援施設、「なぎチャイルドホーム」です。
ここでは、保育園・幼稚園に入る前の子どもたちを対象にした自主保育サービスや、地域の人や先輩ママらによる子どもの一時預かりなど、地域ぐるみの子育て支援が行われています。
(在京都フランス総領事/ジュール・イルマンさん)
「パッションでやっているんですね」
(在京都フランス総領事/ジュール・イルマンさん)
「(一時預かりについて)美術館に行きたいので1時間預かることはできますか? それとも本当にやらないといけないことだけですか? 仕事とかお医者さんとか」
(なぎチャイルドホーム/貝原博子さん)
「一昔前は、やらなきゃいけないことで預ける以外に自分の時間のために預けるのは『罪』みたいな。今はお母さんがリフレッシュする時間があることとか、お友達とランチに行く時間であるとか、それも大切な時間なので、特に理由がこうじゃないといけないということはしていない」
視察を終えたイルマンさん。子育て支援に力を入れ、先進国の中でも高い出生率を記録するフランスの取り組みとも通じるものがあったそうです。
(在京都フランス総領事/ジュール・イルマンさん)
「フランスの自治体にもこういうモデルがあります。『共済』みたいなシステムで、ご両親も参加する。女性だけでなく男性もします。それは大切だと思います。(少子化対策は)コミュニティ全体のプロジェクトだと思うので、一緒に出生率を高くするためには協力するべきだと思った」