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日本で唯一の伝統的な製法を守るため 老舗しょうゆメーカーがクラウドファンディング 香川・東かがわ市

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 香川県東かがわ市の老舗しょうゆ製造会社が、日本で唯一となる伝統的な製法「むしろ麹製法」を守り続けるため、インターネットで支援を募るクラウドファンディングを行っています。

 大豆と小麦、麹菌を混ぜ合わせ、それを「むしろ」の上に広げて4日間かけ菌を大豆の奥まで根付かせる…これが「むしろ麹製法」です。

 東かがわ市の「かめびし」が行っているこの製法は、2021年に小豆島の伝統的な製法とともに、「讃岐の醤油醸造技術」として、国の登録無形民俗文化財に登録されました。

 しかし…「かめびし」は今、厳しい状況に置かれています。

(かめびし18代目当主/岡田佳織さん)
「このまま行けば、どこかで幕引きをしなけければいけないという状態です」

 その原因の一つが設備の老朽化です。

(かめびし18代目当主/岡田佳織さん)
「こちら、見ただけでも古いなって思うんですけど、これが使えなくなってしまいました」

 布で包んだ「もろみ」に圧力をかけてしょうゆを搾り出す「圧搾機」と呼ばれる機械は60年以上前に導入したものです。

(かめびし18代目当主/岡田佳織さん)
「今1機だけ残っているんですが、これも不具合も生じてきて、いつ壊れてもおかしくない状況になってます」

 修理にかかる費用は約1000万円。岡田さんは、今回募った資金の一部を圧搾機の修理にあてたいと考えています。

 さらに、歴史ある建物の老朽化も経営の大きな負担になっています。

 今回のクラウドファンディングには「設備の修理費」と「建物の修繕費」のほかにも目的があります。

 それが「しょうゆ桶のオーナー制度」を導入することです。

 金額に応じて、完成したオリジナルのしょうゆなどを受け取れる「桶主プラン」。しょうゆを仕込む前に代金を受け取ることで、キャッシュフローがよくなります。

 これによって、先を見越した経営ができるようになり、次の世代も希望が持てる会社になれると岡田さんは考えています。

(かめびし18代目当主/岡田佳織さん)
「先に注文をもらって、その人(桶主)のために作る。働く人のモチベーションも上がる。待ってる人も『しょうゆが何年後に来るんだ』と楽しみになる。そういうWIN‐WINの関係での商売が目指すところです」

 かめびしのこだわりは、徹底的に手間をかけること。製品として出荷するまでに最低で2年。40年熟成させている桶もあります。

 伝統的な「むしろ麹製法」も手間がかかるため、「かめびし」以外のしょうゆメーカーは採り入れていません。

(かめびし18代目当主/岡田佳織さん)
「私は、かめびしというしょうゆ屋に誇りがあります。これを守って続けていくためには、同じようなやり方では難しい」

 かめびしのクラウドファンディングは、10月15日までキャンプファイヤーのサイトで受け付けています。

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