岡山県出身の画家、竹久夢二が描いた女性の肖像画で、長い間、所在が分からなくなっていた「幻の作品」が見つかり、報道陣に公開されました。
18日、岡山市の夢二郷土美術館で公開されたのが竹久夢二の油彩画「アマリリス」です。
恋人のお葉を描いた夢二の中期の代表的な作品で、印象的なアマリリスの花と輝きを秘めた女性が描かれた美人画です。
この作品は、東京の菊富士ホテルの応接間に掛けられていましたが、1945年ごろにホテルが閉館した後、長らく所在が分からなくなっていました。
夢二郷土美術館によると、竹久夢二学会の理事から作品の情報が入り、2022年12月に東京の画廊から購入したということです。購入金額などは公表できないということです。
(夢二郷土美術館/小嶋ひろみ 館長代理)
「夢二を知るうえで非常に無くてはならない作品であるなというふうに思い、この奇跡的な出会いに非常に大きく感謝したということでございます」
また夢二がアメリカ西海岸やヨーロッパを訪れた時に描いたスケッチも初公開されました。夢二が洋画の重要な画題である裸婦に取り組んだことがうかがえる貴重な作品です。
これらの作品は、夢二生誕140年を記念して、2024年6月に東京で公開されるのをはじめ、全国5つの美術館で一般公開される予定です。岡山での公開は、夢二の誕生日に合わせて2024年9月7日から予定されています。
(夢二郷土美術館/小嶋ひろみ 館長代理)
「生誕140年、没後90年を迎えて、今まで知らなかった夢二、それからもっと知りたい夢二ということを探る非常に大規模な展覧会となります」