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6月から診療報酬改定「初診料」など引き上げ…背景は? 医療従事者の賃上げ、医療受けない人のため公平性保つ目的も

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 物価高が続く中、病院に支払う「初診料」や「再診料」が2024年6月から引き上げられます。国は「医療従事者の賃上げ」につなげるために行うとしています。

 医療機関に支払われる「診療報酬」について2月、2年に1度の改定内容がまとまりました。

 厚生労働省によると2024年6月の診療報酬の改定では40代未満の医師など医療従事者らの賃上げのために、患者の初診料を90円、再診料を40円引き上げるとしています。

(松木梨菜リポート)
「消費税率の引き上げに伴うものを除くと『初診料』の改定は20年ぶりです」

 例えば自己負担割合が3割の人は「初診料」は27円、「再診料」は12円、多く支払うことになります。

 食材費の高騰によって入院時の食費も引き上げられます。現在460円ですが30円引き上げられ、490円になる方針です。

香川県医師会の久米川会長は今回の改定についてー

(香川県医師会/久米川 啓 会長)
「今後もお年寄りが増えていくということで医療介護を守っていくという意味では公定価格を上げていただかないとそれに応じた職員のベースアップはできないということですので、引き上げ率が高くなかったのも、われわれにとってはショックではありました」

 医療福祉の経営に詳しい専門家は、今回の引き上げは医療をあまり受けない人のために「公平性を保つ」目的もあると考えています。

(川崎医療福祉大学医療福祉経営学科/櫃石秀信 学科長)
「個人負担は3割とか1割とか、残りはどこが保障しているか、国が税金で補填しているわけですね。そうなると医療に全くかからない人は取られるだけ」

 専門家は私たちが今受けられる医療の水準を守るためにも、今後、こうした引き上げは続くとみています。

(川崎医療福祉大学医療福祉経営学科/櫃石秀信 学科長)
「ほかの業界は(賃金が)上がっていく。医療業界は賃金が下がっていくとなると医療からの人材流出が高くなってしまう。そうなると医療機関の倒産を招いてしまう。守るためには今後も上がっていく」

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