Park KSBアプリに寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。5月9日は「アイスクリームの日」。今回はアイスクリームとジェラートの違いや、気温が何度くらいの時においしく感じるのかなどを、専門家に聞いてみました。
「アイスクリームの定義は?」(高梁市 福様 58歳)
この疑問について、日本アイスクリーム協会の専務理事・石井克明さんに聞いてみました!
(日本アイスクリーム協会/石井克明 専務理事)
「アイスクリーム類といいますか、その中には、アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイスと分かれている」
石井さんによると、一般的にアイスと呼ばれるものはアイスクリーム類に分類されるアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスと一般食品の氷菓の4種類があります。
その分類は、乳製品の中の水分を除いた成分「乳固形分」と、その乳固形分に含まれる乳脂肪分の割合で決まっているそうです。
その中で、アイスクリームは乳固形分が15%以上で、そのうち乳脂肪分が8%以上入っているものと法律で定められているんです。
ちなみに、「氷菓」は乳固形分がほとんど含まれない果汁などを凍らせたアイスキャンディーやかき氷などなどです。
「ジェラート」という呼び方をしているものもありますが……。
(日本アイスクリーム協会/石井克明 専務理事)
「ジェラートというのは総称ですね。イタリア語なんですけど、イタリアで冷たい凍ったお菓子のことをジェラートと呼ぶようで」
そのため「ジェラート」にはアイスクリームもあれば、フルーツをメインにしたシャーベット(氷菓)もあるということです。
また、ソフトクリームは-5℃から-7℃程度に凍らせ、アイスクリームのように固めずに食べるもののことで、温度の違いで特徴的な味わいを作り出しているということです。
「賞味期限はない、は本当?」(岡山市 はんな 54歳)
「アイスクリームの賞味期限はない」と聞いたことがありますが、本当でしょうか?
(日本アイスクリーム協会/石井克明 専務理事)
「本当と言えば本当で、違うと言えば違います。ないのではなく、省略することを許されている」
石井さんによると、食品は、-18℃以下で保管すれば、腐敗の原因となる細菌が活動できなくなるということです。
アイスクリームは-30℃ほどで保管されるため、長期間保存しても品質の変化は極めてわずかなんだそうです。そのため、食品表示基準の規定で「省略することができる」と定められています。
(日本アイスクリーム協会/石井克明 専務理事)
「逆に雑菌・細菌が繁殖するくらい温度が上がるということは、アイスクリームの形状を保っていませんので、商品として価値をなさない」
ただ、賞味期限が書かれていないものも、1年を目安に食べた方が良いということです。
「食べたくなるのは何℃くらい?」(岡山市 つっくん 68歳)
アイスクリームを食べたくなるのは、気温が何℃くらいに上がった時?
(日本アイスクリーム協会/石井克明 専務理事)
「最高気温が25℃を上回る季節と言われてますね」
日本アイスクリーム協会の調査によりますと、アイスクリームがおいしく感じられる気温は「30℃くらい」が31.4%で一番多く、次が「25℃くらい」の26.9%でした。
最高気温が30℃以上になれば、氷やソーダバー、シャーベットなどを好む人が多くなり、そして35℃以上になればアイスクリームなどではなく、飲料水を飲みたくなる人が多いということです。
なので、ちょうど今ぐらいのゴールデンウィークの時期が、アイスクリームをおいしいと感じる人が多くなってくるということです。
そのため、連休明けの5月9日を、当時の東京アイスクリーム協会は1964年に「アイスクリームデー」と定め、都内の施設や病院などにアイスクリームを寄贈したり、ホテルで祭典を開いたりしました。
それ以後「アイスクリームの日」として、毎年各地で、PRのためのイベントを行っています。
(日本アイスクリーム協会/石井克明 専務理事)
「プリンでもなく、ゼリーでもなく、ショートケーキでもなく、何かデザートを食べたいなと思ったら、真っ先にアイスを食べたいなと思っていただけるような商品群になってほしいなと思います」