皆さんから寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。ゴールデンウィークが近づいてきて、車での外出を予定している人も多いのではないでしょうか。今回は、高速道路の「渋滞」に関するハテナです。
渋滞予測はどのようにするの?(坂出市 なみさん 65歳)
大型連休の前に、高速道路などの混雑状況を事前に見通す「渋滞予測」。いったいどのように予測しているのでしょうか?
教えてくれるのは、高速道路の渋滞日時や規模を予測するNEXCO西日本の「渋滞予測士」、三戸隆治さんです。
(ネクスコ西日本 渋滞予測士/三戸隆治さん)
「渋滞の実績をもとに、日時・時間を重ね合わせるといった作業をする」
基本的には直近3年間の渋滞データを照らし合わせて、2024年はどれくらい混みそうかを分析するそうです。ただ、2024年のゴールデンウィークは直近3年より、前のデータも参考にしたそうです。
その理由は……。
(ネクスコ西日本 渋滞予測士/三戸隆治さん)
「(2024年のゴールデンウィークは)前半3連休、後半4連休という曜日合わせ。そのような曜日合わせは、過去には平成30年(2018年)がございましたので、これらを重ね合わせてどのような渋滞が起こるか予測した」
2024年は4月27日から29日までの3日間と、5月3日から6日までの4日間が土日祝日という並びになっています。
ゴールデンウィークと言っても、連休の並びが違う直近のデータだけでは、車の流れの参考にするのは難しいそうです。
そこで三戸さんは、2023年、2022年、新型コロナ前の2019年のデータに加えて、連休の並びが同じ2018年を参考にしました。
2024年の渋滞のピークは5月3日から5日と予測されています。
まず、5月3日は香川を起点とする渋滞はありませんが、近い場所では高松自動車道下り線、愛媛県の川之江ジャンクション付近で午前9時から午後1時まで最大5kmと予測。
また岡山では、午前8時から午後1時にかけて、広島方面に向かう名越山トンネル付近を先頭に最大10kmの渋滞が予測されています。
5月5日は香川で目立った渋滞はありませんが、岡山では、岡山道上り・有漢トンネル付近で最大5km。山陽道上り・二子トンネルと、阿坂トンネル付近でも最大5kmが予測されています。
そもそもなぜ渋滞が起こるの?(倉敷市 まさくんさん 56歳)
(ネクスコ西日本 渋滞予測士/三戸隆治さん)
「前方を走っている車がブレーキを踏むと、後続を走っている車もまたブレーキを踏むので、そのブレーキを踏む、速度を低下させるという連鎖が後続に伝わっていって渋滞が発生する」
三戸さんによると、前を走る車のブレーキが後続へと伝わっていく「ブレーキの波」で車の速度が遅くなり、最終的に止まってしまう。これが渋滞のメカニズムだそうです。
この渋滞が起こりやすい場所も分かっていて、「上り坂」「トンネルの入り口」「合流部分」の3つだそうです。キーとなるのは「速度の低下」です。
(ネクスコ西日本 渋滞予測士/三戸隆治さん)
「(トンネルでは)明るいところから暗めになるところに入るので、どうしても圧迫感を感じてしまうというところで自然に速度が低下してしまう」
この中で、渋滞の原因として最も多いのが「上り坂」だそうです。
(ネクスコ西日本 渋滞予測士/三戸隆治さん)
「車は必然的に勾配が急になると、同じ程度のアクセルを踏んでいる状況であればやはり速度は低下してしまう」
坂道でも次の特徴を持った場所は特に注意が必要だそうです。
(ネクスコ西日本 渋滞予測士/三戸隆治さん)
「サグ部と呼ばれる、下り坂から上り坂に変わる場所。どうしても下り坂だとアクセルをそこまで踏んでいない状態で、そのまま気付かないうちに上り坂に変わってしまう。そういったところで渋滞が発生してしまう」
渋滞を起こさないためにできることは?(井原市 ふるーつだいふくさん 34歳)
三戸さんによると、渋滞を発生させない運転には3つのポイントがあるそうです。
(ネクスコ西日本 渋滞予測士/三戸隆治さん)
「上り坂などで速度が低下しないように注意すること。そして、安全な車間距離を保って一定の速度で走っていただく。それと、車線変更をできるだけ行わないという3点」
ゴールデンウィークの車旅は、渋滞予測を使いながら安全運転で渋滞を避けて快適なドライブを楽しみたいですね。