皆さんから寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。桜もきれいに咲いて入学シーズンとなりました。今回は「ランドセル」のハテナです。
春の入学シーズン。小学校へ元気よく歩く新一年生の背中にあるのはぴかぴかの真新しいランドセル! そんなランドセルに関する最初の疑問は……。
「ランドセルの始まりは?」(高松市 カープ高松応援団長 62歳)
最近は赤や黒だけじゃなく、様々な色やタイプがあり多様化するランドセル。どうやって始まったのでしょうか?
子どもに関わる消費行動を研究する大正大学の白土健教授に聞いてみました。
(大正大学/白土健 教授)
「明治時代から日本のランドセルが生まれた。その時に兵隊さんが使っていた背のうを少し改良して、教材が入るように筆箱が入るようにいろんなポケットを作ったりしたのがランドセルの原型といわれている」
白土教授によると、明治時代になると貴族向けの学校が開設され、学習用具は自分の手で持って登校するように指導されるようになったそうです。
その時に両手をあけることができ、便利だったのが、オランダから輸入された兵隊が背負う「背のう」でした。その背のうを改良したものが明治時代に使われていた今のランドセル、革製の背負い式かばんです。
(大正大学/白土健 教授)
「兵隊さんが背負っていた背のうというのは『ランセル』というオランダの言葉で、それがだんだんなまってランドセルという言葉に変わってきた」
革製の背負い式かばんは当初、革が高級で庶民には手に入らなかったそうです。しかし戦後に革に似せた人工皮革が開発され、安くて丈夫なかばんができ、広まっていきました。
さらに、その色も変化していきます。
初めはこげ茶色が主流だったかばんが戦後ごろには黒と赤が定番に。そして、他の人と違うものを持ちたいなど個性を出す風潮が高まった影響もあり、2000年ごろからいろいろな色のランドセルが誕生しました。
ちなみに、1994年ごろのランドセルと最近のランドセルを比較してみると……。
(大正大学/白土健 教授)
「(1994年ごろは)B5サイズを入れる大きさから(2023年ごろは)A4サイズを入れる大きさというところで変わってきましたし、教科も増えてますので非常に厚みも出てきた」
最近はタブレットを入れる児童も多く、大型化しているそうです。
「最近のトレンドは?」(倉敷市 くらこ 22歳)
この疑問を探るため、約200点のランドセルを扱う、ゆめタウン高松を訪ねました。
最近、女の子に人気なのは……。
(ゆめタウン高松 服飾売場/渡辺恵美さん)
「こちらのコーナーのくすみ系の色が人気となっております。ラベンダーとかミントグリーンとか、こちらの方が毎年人気となっております」
また、最近はシンプルな刺繍のデザインが人気だそうです。
そんな中、ゆめタウン高松で女の子人気No.1は――。かわいらしいデザインが特徴のラベンダーカラーのランドセル!(くるピタR サーティワン 6万9300円)
子どもに人気のサーティワンアイスクリームとのコラボランドセルで、アイスクリームチャームやハートなどで彩られた雨用カバーがついているのが人気の理由だそうです。
続いて男の子人気No.1のランドセルは――。黒色のランドセルに青色のラインが入った「スーパーフラッシュ」!(スーパーフラッシュ 6万4900円)
人気の理由は幅が13.5cmと通常よりも広く、走ってもずれないチェストベルトがついていること。
また車のライトなど、光が当たるとランドセルの周りが光るのも人気のポイントです。
また、ランドセルだけではなくこんなものも……。
2023年からゆめタウン高松で販売を始めた「ランドセルリュック」です。軽くて背負いやすいため体への負担が少ないそうです。(フリージ 3万2780円)
「6年間使った後はどうしてる?」(岡山・早島町 和音 51歳)
Q.自身のランドセルのその後は?
「実家に保管してました」
「近所の友達の娘の(ランドセル)が壊れたということで、譲りました」
(ゆめタウン高松 服飾売場/渡辺恵美さん)
「リメイクといってランドセルを小さいランドセルにされたりとか、キーケースにされたりとか、小銭入れにされたり、リメイクされる方が多かったりするんですけど、寄付される方もいらっしゃる。耐久性が約10年持つので下の子や下級生だったりに譲ることはお客さまから聞く」
ゆめタウン高松でも2023年、使い終わったランドセルを小さいランドセルやキーケースなどに変えるリメイクの受け付けをしていました。
2024年の受け付けは未定だということです。
入学から卒業まで小学校の6年間をともに歩くランドセル。毎日、大切な思い出も詰められていきます。