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被災地で育んだ気持ちを胸に夢へ 自作のキッチンカーで営業続ける学生の思い 岡山・倉敷市真備地区【西日本豪雨から6年】

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 岡山県倉敷市真備地区で1年以上前から自作のキッチンカーで営業を続ける学生がいます。

 倉敷市真備町川辺のクリーニング店。駐車場で月に2回ほどキッチンカーを営業するのは、真備地区の隣、玉島地区に住む長尾博佳さん(21)です。倉敷市立短期大学専攻科の2年生です。

(長尾博佳さん)
「何よりも青が一番好きです、ランドセルも水色でした」

 長尾さんのキッチンカー「青を待つ珈琲」で販売しているのは、コーヒーやカフェラテなど。暑い季節にはかき氷も販売します。キッチンカーにはちょっとした休憩や買い物ついでなどさまざまな人が訪れます。

(かき氷を求めてやってきた『小さなお客さん』)
「(長尾さんは)優しい」

 「小さな常連さん」がプレゼントしてくれた似顔絵は宝物だそうです。

(長尾博佳さん)
「自分のカフェを、店を持つっていうのが将来の夢であって、その第一歩になればいいなっていう気持ちでキッチンカーを制作しました」

 2022年。軽トラックを購入し断熱材を敷いて木材を切って……。大工だった父のアドバイスを受けながらキッチンカーを自作しました。

(長尾博佳さん)
「業務用洗濯機のドア部分を使っていて、実際に開け閉めができます。これだけで15kgくらいあって設置がすごく大変だった」

 ちょうど1年前、キッチンカーを始めて3カ月たったころ。

(長尾博佳さん)
「いろんなお店が増えてきたりだとか、復興も進んでいると思うので、またそれで元気づけられるようなお店になればとてもうれしいなと思います。最低でも1年は続けようと思っていて、また来年もここ、ここで見かけていただけたらうれしいです」

(吉備町在住)
「この暑いのにね、週に4日はグランドゴルフに午前中だけ行くの」

 1年以上キッチンカーを続けて気付いたことがありました。

 店名「青を待つ珈琲」について――。

(長尾博佳さん)
「今ちょっと生きづらいけど、いつかきっとどうにかなるよ。いつか来る『青空』を待ってみませんかという意味を込めてつけたんですけど、私が青を届けるのと同時に、(来てくれる人から)私ももらっているので、本当にそこは深く感謝したいなっていう風に思います」

 西日本豪雨から6年。大きな被害を受けた真備地区で2023年からキッチンカーを営業している長尾さんは、いつの間にか町の人から元気をもらっていることに気付きました。

 長尾さんの夢はカフェを経営すること。2024年度で卒業となる短大での勉強や就職活動の合間を縫ってキッチンカーを続けます。

(長尾博佳さん)
「私の夢に対する第一歩の町にしてもらったと思うので、この縁とかゆかりは大事にしたい、今後も大事にしたいなって」

 西日本豪雨の被災地で育んだ気持ちを胸に夢の待つ道を走ります。

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