高松市の国立ハンセン病療養所、大島青松園で7日、夏祭りが行われました。5年ぶりに島の外から参加した人もいました。
高松港からフェリーで約20分。白砂青松の島・大島には全国のハンセン病療養所で唯一、船でしか訪れることができない「大島青松園」があります。
7日、この大島で夏祭りが開かれました。新型コロナが流行してからは、療養所の職員と入所者だけが参加していましたが、2024年は5年ぶりに島外からのお客さんも招きました。
1952年に「大島青松園」に入所した野村宏さん(88)も、妻の春美さんと一緒に祭りに参加しました。
(大島青松園 入所者自治会/野村宏 副自治会長)
「私も高知県出身でね、例年だったら一緒に踊ってもいいんだけれど、ちょっと足をけがしたもんだから」
日が落ちて、心地よい潮風が吹く会場で、野村さんは奥さんと一緒に高知からやって来た「よさこい連」の踊りに合わせて手拍子で参加していました。
大島青松園にはピーク時には約700人の入所者がいましたが、8月1日現在の入所者は29人、平均年齢は86.7歳です。
(大島青松園 入所者自治会/野村宏 副自治会長)
「本当に(入所者の)みんながここの会場に来れんようになってさみしくなったなあというのが実感」
(大島青松園/岡野美子 園長)
「にぎやかになりまして、入所者さんも楽しみになさっていたんで良かった。入所者の皆さんも高齢になられたので、1日1日を大切に安らかに過ごしていただきたいな」
(記者リポート)
「花火には、大島で亡くなった方への鎮魂の祈りが込められています」
入所者の他に島外からの来場者を合わせて約120人が参加した祭りは、色鮮やかな花火で締めくくられました。