岡山市で交際相手の男と共謀して幼い娘に虐待を繰り返し死なせた罪などに問われている母親の裁判員裁判です。28日の被告人質問で母親は「守れなくてごめんね」などと娘に対する気持ちを述べました。
逮捕監禁致死と強要の罪に問われているのは、岡山市の無職、西田彩被告(36)です。
起訴状などによりますと、西田被告は2021年9月、当時の交際相手で、すでに懲役14年の判決が確定している船橋誠二受刑者(41)と共謀し、娘の真愛ちゃん(死亡当時6歳)に虐待を繰り返し死なせたなどとされています。
20日の初公判で、西田被告は「自ら率先して虐待したわけではない」と起訴内容を一部否認し、弁護側は共謀は成立しないと主張しました。
28日の裁判では被告人質問が行われ、弁護人に「自分のどういうところが悪かったと思うか」と問われた被告は、「行政や福祉に頼れなかった部分。自分の弱さが原因ではないかなと思う」と答えました。
「事件後にすぐに船橋受刑者と別れられなかったのか」との質問に対しては「怖かったというのもあり、船橋受刑者からいつも通りにしてと頼まれた」と答えました。
真愛ちゃんに対しては「助けられなくて、守れなくてごめんね」と気持ちを述べました。
また、検察側から「船橋受刑者をどう思うか」と聞かれた際、「真愛ちゃんを返してほしいという気持ちが一番です」と答えました。
この他、28日の裁判には被告の精神状態について簡易的な診察をした精神科医が証人として出廷し、「本人の対処能力を大幅に超える事態となっていたと推測される」などと説明しました。