「令和の米騒動」とも言われる全国的な米の品薄は新米が出始めて少し落ち着きが見え始めていますが、価格の高騰は続いてます。香川の飲食店で影響を取材しました。
カレー皿にいっぱいのご飯をよそうお客さん。高松市檀紙町の「キッチンベースLei」です。
ランチの人気メニューの1つが「カレー」です。1200円でご飯もルーも1回限り好きなだけよそうことができ、1800円でお代わり自由です。
(お客さんは―)
「自分が好きな量を取れるんで、何のストレスもなくおいしく食べられて、気にせず食べられてありがたい」
こちらの店では1カ月に70kgほどの米を使用しています。先日、仕入れ先の米店からこれまでのランクの米の確保が厳しいと連絡があり、1kg300円ほど高い米を利用し始めました。
2023年10月のオープン時より値上げはしたものの、セルフサービスにして人件費を削り、値上げ幅を抑えています。
(キッチンベースLei/岩見孝一 店主)
「他の仕入れも上がっているので分からないところではあるんですが、夫婦でやっているのでこれ以上(値段が)上がってもしんどいし、お客さんに感動してもらって帰ってもらうのが一番だと思うので」
高松市のうみまち商店街にある「健ちゃん食堂」では、香川県産の米を平日は1日15kg、土日は30kgほど炊いています。
9日、米の卸売り会社から値上げの連絡がありました。
(健ちゃん食堂/大石健一さん)
「次の分からは1万2000円って電話きまして、『いよいよ来たな』っていう感じです。(Q.何円上がった?)1万円から1万2000円。(Q.購入価格が2割アップ)やばいっすね、本当に」
米の購入価格はここ1年で4回ほど上がり、店をオープンした2020年と比べると1袋30kg当たり5000円高くなりました。
JA香川県は8月、米農家からの買取価格となる「概算金」の大幅な引き上げを決めました。2024年産の1等米のコシヒカリの概算金は60kg1万6620円で2023年より約42%上がり、ここ20年で最も高くなりました。JA岡山でも60kg2万100円となり、2023年と比べ39%上がりました。
そんな中でも健ちゃん食堂では値段はそのままに、ご飯は山盛りにしてお客さんに提供します。
(お客さんは―)
「普通盛りです。でかいですね、ここは普通がでかいんで、仕事にならんです。午後は眠たくなりますね」
「この値段でこの量だったら最高です」
11日は午前9時から午後2時までの営業で150合以上のご飯がなくなりました。
(健ちゃん食堂/大石健一さん)
「値段に代えられない。冥利に尽きますよ。来てもらってなんぼなんで、できる限りこの値段で頑張ろうって思っています」