2024年8月以降、首都圏の住宅などを中心に相次いだ強盗事件。犯人たちはいわゆる「闇バイト」で集まったとみられています。また、岡山県・香川県での被害は発覚していませんが警察への相談件数が大幅に増加しています。命や家を守ろうと、岡山県でも防犯用品が例年より売れています。どんな対策が有効なのか考えます。
相次ぐ強盗事件に高まる不安…有効な対策は?
警察庁によると2023年、全国で起きた一戸建て住宅への侵入窃盗の侵入手口のうち35.8%がガラス破りでした。無施錠に次ぐ2番目の多さです。
防犯セキュリティー会社大手のセコムはガラス破りにあっても、すぐに貫通しない防犯ガラスとフィルムを販売しています。
セコムによると、2024年10月はこれらの商品への問い合わせが2023年の同じ時期と比べ全国で約42倍、中国地方5県でも約20倍に急増しました。
(セコム岡山統轄支社 営業グループ/大山信光 課長)
「最悪殺されるという状況。今のニュースを見ての対策という明確な話をされるお客さんが多い状況」
(記者リポート)
「こちらのホームセンターでは、問い合わせの増加を受けて、10月から防犯対策の特設コーナーを設置しています」
(タイム大安寺店/藤川誠 店長代理)
「11月でいうと、前年比3倍以上の売り上げになっていますね。窓ガラスに貼るフィルムであったり、(窓の)サッシに付ける補助的な鍵だったりが大変好評をいただいている」
岡山市北区のホームセンター「タイム大安寺店」では、例年は年に数件ほどだった防犯グッズへの問い合わせが、現在は週に数件程度に増えているということです。
(タイム大安寺店/藤川誠 店長代理)
「やっぱりご年配の方が多い印象はある。年齢・性別問わずにいろいろな方に使っていただくような商品だと思っているので、使っていただけたら」
闇バイトが関係しているとみられる一連の強盗事件。岡山・香川での被害は今のところ発覚していませんが、不安に感じている人が増えているようです。
(岡山県警察本部 犯罪抑止対策室/佐藤泰弘 室長)
「廃品回収や住宅のリフォーム、通信事業者や電力会社を名乗る訪問を受け、県民が不安を覚え警察に相談される件数が大幅に増加しています」
岡山県警によると不審な電話や訪問を受けたという相談は9月は9件でしたが、10月は35件、11月は69件でした。
では、被害に遭わないためにはどうしたらいいのか。ポイントは「侵入に時間をかけさせること」です。警察庁のまとめによると、侵入までに5分かかると犯人の7割が犯行をあきらめ、10分以上かかると、ほとんどの犯人が犯行をあきらめるということです。
(岡山県警察本部 犯罪抑止対策室/佐藤泰弘 室長)
「玄関の扉に鍵をかけていただくとか、防犯ガラスにしていただく。いかに犯人がこの家を嫌うか、侵入に時間をかけさせるかということが重要かと思います」
対策は、他にもあります。住宅への侵入犯が一般的に嫌がるとされているのが、「人の目」、「光」、そして「音」です。
まずは「人の目」。周りから見えづらいと犯人が侵入したときに周囲から犯行が見えません。そのため、植木を剪定したり庭や玄関前の荷物を片付けたりすることが重要です。手入れがされていないと空き家だと思われる可能性もあり、リスクが高まります。
そして「光」と「音」。人を感知して光るセンサーライトの設置や歩く場所に砂利を置くことが有効です。
それ以外にもちょっとした工夫が対策につながります。2階から入るのに使えそうなごみ箱や室外機などは窓の周辺に置かない。「防犯対策しています」などと書かれたステッカーを貼るだけでも効果があるそうです。
また、インターホンにカメラ機能を付けて玄関から出ないようにすると、不審な訪問販売など特殊詐欺への対策にもつながります。
年末年始は空き巣にも注意
年末年始は旅行や帰省で家を空ける機会が増えるため、強盗だけでなく空き巣にも注意が必要です。
岡山県警は11月30日、岡山市のイオンモール岡山で年末年始に向けた啓発活動を行い、空き巣の被害にあわないよう鍵をかけてほしいと呼び掛けました。
岡山県警によると、2024年10月までの住宅の空き巣被害は126件で、このうちの半数以上、52.4%が鍵をかけていませんでした。
(岡山県警察本部 犯罪抑止対策室/佐藤泰弘 室長)
「年末年始で親族の方が集まる機会があれば、全国的にこのような強盗事件が発生していると話題にしていただいて、それぞれの家庭でいま一度防犯対策というものを見直してほしい」
強盗や空き巣へのさまざまな対策を紹介しましたが、岡山県警は「最も大切なのは鍵をかけることだ」としています。基本的な対策を改めてお願いします。