岡山大学大学院環境生命自然科学研究科の佐古貴紀さん(博士前期課程)と高知大学理工学部の長谷川精准教授らの研究グループは、衛星画像の探索により火星の中緯度の地下に「氷」が豊富に存在する場所を推定しました。
研究グループは、地球で地中の水が凍結と融解を繰り返して生じる特徴的な地形に注目。火星にも同じ地形が存在しているかどうか、北半球の中緯度域(N30°~42°)の表層地形を、火星を周回する衛星画像4789 枚で調べました。その結果、東半球のアラビア台地、ユートピア平原、アマゾニス平原)の3つの領域に同じ地形が密集していて、「地下氷が豊富に存在する可能性が高いこと」が分かりました。
研究グループは、2040年代に計画されている火星での有人探査の着陸候補地を決定する重要なデータとして活用が期待されるとしています。
研究成果はアメリカ地球物理学連合のオープンアクセス科学誌「Journal of Geophysical Research:Planets」に掲載されました。