岡山大学の研究グループは、ニホンアカガエルの卵やオタマジャクシを、アメリカザリガニと24時間水槽で同居させる実験を行い、アメリカザリガニが卵・幼生を旺盛に捕食しているという研究結果をまとめました。
<実験>
実験1:ザリガニ1個体・卵1個を同居(捕食割合88.9%)
実験2:ザリガニ1個体・オタマジャクシ1個体を同居(捕食割合86.7%)
実験3:隠れ家の水草を入れ、ザリガニ1個体・オタマジャクシ1個体を同居(捕食割合77.8%)
アメリカザリガニは、昭和初期にウシガエルの餌としてアメリカから日本に持ち込まれました。2023年6月に環境省と農林水産省によって「条件付き特定外来生物」に指定され、一般の人がペットとして飼育することはできますが、生きた個体を野生に放すなどの行為が法律で禁止されました。
これまでもアメリカザリガニが侵入・定着した水辺では、カエル類の「減少」や「地域絶滅」が指摘されてきましたが、研究グループは「理由の詳細は、これまで十分に検討されていなかった」とした上で、在来のカエル類などの保全のためにはアメリカザリガニの「侵入防止」や「駆除」が必要不可欠だと結論付けました。
近い将来に野生での絶滅の危険性が高いとして環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB類となっているナゴヤダルマガエル(岡山県版レッドデータブック2020で絶滅危惧Ⅰ類)を例に挙げ、卵とオタマジャクシの期間はザリガニに補食されるリスクが高く迅速な対策が必要としています