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旅客船炎上から1カ月 船を所有していた海運会社や四国運輸局で新たな安全対策 香川

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 高松市沖で旅客船が炎上し、沈没した事故から1カ月です。出火原因は調査中ですが、船を所有していた海運会社や四国運輸局では事故を受け、新たな安全対策を講じています。

 5月16日午後5時半ごろ、高松市の男木島沖で瀬戸内国際芸術祭のツアー客ら25人が乗った旅客船から煙が出ているのに船長が気づきました。船長は、乗客に救命胴衣を着用させるとともに海上保安部に通報。近くを通り掛かった漁船に乗客らを誘導しました。

 乗客らが避難を終えた後、船は炎に包まれ、その後、沈没しました。けが人はいませんでした。

 海上保安部や消防、国の運輸安全委員会が出火原因などを調べていますが、まだ分かっていません。

海運会社の社長「安全対策にもっともっと力を」

 炎上した船を所有していた倉敷市の六口丸海運の社長が6月10日、KSBの取材に応じました。

(六口丸海運/西原正博 社長)
「今回の火災事故がありまして、それから対策として早期発見、早期対処ができるようにいろんな箇所を点検して増設しているという感じ」

(篠原茉那リポート)
「こちら操縦士が座る席です。目線の先にはエンジンルームの様子を確認することができるモニターが新たに設置されています」

 今回の事故原因は特定されていないものの、船の事故の原因として多いエンジントラブルを早期に発見できるよう事故から約1週間後に設置したものです。

 エンジンの正面と後ろの2カ所にカメラを設置し、操縦席からもエンジンルームの様子を確認できるようになりました。

 また、もともと備え付けていた初期消火のための消火器を、所有する6隻の船全てに1~2台ずつ増やしました。

(六口丸海運/西原正博 社長)
「私たち人を運ぶ、命を運ぶ仕事なので、やっぱりどうしても安全対策にはもっともっと力を入れていかないといけないなとやっています」

エンジンまわりなどの点検徹底が「重点項目」に

 この事故を受け、船の安全点検にも変化が。

 四国運輸局は観光客らが増える夏を前に毎年、旅客船とフェリーの安全点検を行っています。消火器や消火ホースが正しく備え付けられているかや、救命胴衣が劣化していないかなどを調べます。

 今回の旅客船の炎上を受け、エンジンまわりや排気管などの点検の徹底を促すことが重点項目に新たに加わりました。

(四国運輸局 海上安全環境部/岡井功 部長)
「われわれが点検することによってそこでもし悪いところだったら直すんですけど、それを見ていただいて乗組員がどういうところをきっちりとやらないといけないのかというのを認識していただいて、日常の点検にいかしていただきたいと思う」

 また、安全点検の対象を四国運輸局管内の旅客船やフェリー104隻に加え、瀬戸芸の公式ホームページに掲載されている海上タクシーやチャーター船、40隻にも拡大しました。(20社が運航)

 夏の安全点検は6月30日まで行われます。

(四国運輸局 海上安全環境部/岡井功 部長)
「お客さんは船は安全だと思ってお乗りになりますので、役割は非常に大きくて、そういうお客さんの安心・期待を裏切らないようにしなければいけないという重い責任を持っていると思う」

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