詩人、版画家、映画評論家で映画技師、オリエント美術館と吉備路文学館の初代館長、岡山県職員など…さまざまな〝顔”を持ち、八面六臂の活躍で戦後の岡山を文化復興に導いた仕掛け人、〝イタさん”こと故・山本遺太郎さん。
イタさんの没後25年に合わせて業績を再評価し、現代へとつながる道筋を見つめ直そうという回顧展「イタさんがいた」が、岡山市北区の岡山シティミュージアムで開かれています。会期は2026年10月21日~同月25日。
回顧展は、イタさんゆかりの人たちがつくる実行委員会などが主催しています。
会場の記録からは、イタさんが岡山芸能懇話会(1947年結成)のメンバーとして多くの人と関わり、文化・芸術・芸能の振興のために関係者の調整を図ったり、人材育成に尽力したりした、〝仕掛け人”としての顔が浮かんできます。
会場には、20世紀中ごろの映画作品の貴重なポスターが並びます。あの名作のポスターも!イタさんは、岡山シネ・クラブの代表としても活躍し、戦後の岡山で商業ベースに乗りにくい海外の実験的・芸術的な映画、日本の独立プロ系の映画、世界の古典映画の上映を企画しました。地方都市でありながら、岡山に多様な映画文化を根付かせた、その功績を讃えています。ちなみに、イタさんはチャップリンの大ファンだったそうです。
関わった演劇の上演会や美術展のポスターも並んでいます。イタさんは、岡山県文化課長を務めていた当時、舞台芸術の支援プログラムを考案し、若手アーティストや新たな表現を模索する団体にホールを無料で提供するなどしました。若き表現者を行政側からサポートし、最大の理解者だったと振り返っています。
イタさんが自作した、味わい深い版画なども、とてもおしゃれで必見です。
イタさんの関心の広さと造詣の深さはまさにケタ外れ、超人的です。