ロシアのプーチン大統領やイスラエルのネタニヤフ首相の逮捕状を出したICC(国際刑事裁判所)の赤根智子所長が2日、「脅迫や圧力などの攻撃にさらされている」と危機感を訴えました。
赤根所長は2日、オランダ・ハーグで開かれているICCの総会で演説し、「裁判所は強圧的な手段、脅迫、圧力、妨害行為によって、正統性や正義を追求して国際法と基本的人権を実現する能力を弱めようとする攻撃にさらされている」と述べました。
また、イスラエルのネタニヤフ首相への逮捕状発行を巡り、アメリカの一部の議員がICCに制裁を科すべきと主張していることなどを念頭に、「国連安全保障理事会の常任理事国から、ICCはあたかもテロ組織であるかのように脅迫されている」と訴えました。
そのうえで、「裁判所の独立性と公平性に影響を与えようとするいかなる試みを断固として拒否する。我々はいかなる状況でも法律のみを遵守する」と表明しました。
ロシア政府はICCによるプーチン大統領の逮捕状発行に反発し、赤根氏らを指名手配しています。
イスラエルのネタニヤフ首相に対する逮捕状発行を巡っては先月、イタリアで開かれたG7(主要7カ国)外相会合でも議題となりましたが、各国で見解の相違があり、共同声明に言及はありませんでした。