皆さんは「天ぷら」を週に何回くらい食べますか?
天ぷら粉などの製造・販売を手掛ける「昭和産業」が2024年に行ったアンケート調査で「どのくらいの頻度で天ぷらを食べるか」を聞いたところ、香川県が全国1位になったんです!
「月に2、3回以上」と答えた人の合計は64%。2位の徳島県に10ポイント以上差をつけました。また、天ぷらのアンケートで「岡山県」が全国1位となった質問項目もあるんです。
香川県民、岡山県民の「天ぷら偏差値」が高い理由を探りました。
まずは、香川県が「食べる頻度1位」になった理由を調べます。すると、すぐさま……。
(記者)
「天ぷらを食べる頻度が一番なんです」
(香川県民は―)
「あ、そうなんですか……あぁ~理由分かった! うどんに……入れるから」
「おうどんにのせるから」
「うどんでしょ、うどんでしょうね」
記者「天ぷら好きな人!」
子ども「はぁい!」
記者「なに天が好き?」
子ども「ホタテ」
記者「頻度が一位はなんで?」
子ども「おいしいからじゃない?」
食べる頻度1位の香川県…理由は「うどん」?
「おいしいから」は間違いなく正解ですね。ただ、ほとんどの方が「うどんが理由では?」と答えてくれました。
というわけで、高松市のうどん店にも行ってみました!
ここでは定番から季節の天ぷらまで約30種類が並んでいます。
そして皆さん、うどんと一緒に天ぷらをほおばっています!
(利用客は―)
「まず何か一個はつけますね。必ず食べるんやないかな、セットみたいになっとるからね」
「うどんだけでは何となく寂しい感じ」
「基本取りますね、一個はとります。かけ小と天ぷら2つとか」
ちなみに、香川県で「キリン」「エコぽん太」などうどん店8店舗を運営する平本店に聞いた「天ぷら」人気ランキングは……
3位・かき揚げ、2位・とり天、栄えある1位は「ちくわ」です。ちくわは全店で不動の1位、とり天は中学校や高校が近い店舗で人気が高いそうです。
(セルフうどん キリン/髙熊健太 店長)
「おうどんと天ぷら2品取る方が多いし、天ぷらだけを買って帰る方も多いのでそれが一つの要因かな」
実はアンケート調査の中で、天ぷらの入手方法を「うどん・そば店」と答えた割合が最も高かったのも香川県だったんです。
調査を実施した昭和産業は後日、香川県の回答者に追加アンケートを行ったそうです。
(昭和産業/中西隆将さん)
「(香川県民)ほぼ全員の方がうどん食べるときは必ず天ぷらをつけると答えてくださったので、うどんと天ぷらの食べ合わせは根付いているのかなと感じています」
香川県民が「天ぷらをよく食べること」と「うどんをよく食べること」がつながっていることは間違いないようです。
岡山県が1位のランキングも!?
(記者)
「香川県が食べる頻度1位であることは納得ができました。しかし、天ぷらについて岡山県が1位のランキングもあるんです」
岡山県が全国1位となったそのランキングとは……「天ぷら好きランキング」です。
「天ぷらをどのくらい好きか」と尋ねたところ、「好き」と答えた人が91%と最も高くなったのが岡山県なんです。
岡山県民に聞いてみると……
(岡山県民は―)
「そんなこと聞いたことないですけど。(Q.天ぷら好きですか?)まあ、いや、まぁ、はい」
「分かりません。日本人だったら好きなんじゃないかな」
「お野菜があるから? 魚とかもたくさんあるから?」
昭和産業にも聞いてみますが……
(昭和産業/中西隆将さん)
「本当にすみません難しくて。いろんな角度から調べてみたんですけど、特別揚げ物を食べているわけでもなく、すみません分からないところで」
「天ぷらのプロ」に聞く!
天ぷらのことは天ぷら店に聞いてみよう! ということで訪れたのは岡山市北区の「てんぷら 千乃種」。店主の高取正芳さんは「天ぷらの神様」とも呼ばれる早乙女哲哉さんのもとで15年修業した、その道のプロです。
食材ごとに揚げる時間を秒単位で調整するこだわり。海の幸は刺身でも食べられる新鮮なものだけを使い、中心まで火を通し切らないことでふわっと甘味を感じるように工夫しているそうです。
そんな高取さんに「岡山県が天ぷら好き1位」の理由を聞いてみました。
(てんぷら 千乃種/高取正芳さん)
「んーまぁ、あのー、どうなんでしょうね~。ちょっと分かんないですけど、まぁあの~なんなんでしょうね……。材料は岡山、海の幸とか山の幸でも何でもそろうんで『揚げて、はい食べる!』っていう気軽さみたいなものも県民性にもしかしたら合ってるのかもしれないですね。おいしいですもんね、揚げ物。うふふふ」
確かに岡山県はおいしい食材が豊富ですよね。
食文化のプロにも聞いてみましょう。くらしき作陽大学食文化学部の木村学部長に聞いてみると……
(くらしき作陽大学 食文化学部/木村吉伸 学部長)
「バラ寿司という寿司が伝統的にあります。バラ寿司を食べるときに、天ぷらも一緒に出てきた。バラ寿司の中の食材として大事なのはガラエビがどうしてもいるということ。ガラエビは小さなエビですよね。それを天ぷら・かき揚げにする文化も大きいのかなと」
ほかにも「昔から幅広い種類の野菜が手に入りやすいこと」や「いろんな野菜を一度に調理・摂取できる合理性が県民性とマッチしている」という可能性もあるそうです。
(くらしき作陽大学 食文化学部/木村吉伸 学部長)
「食文化は脈々と続いている。それぞれの地域で特徴のある料理の仕方だとか食材とか、それは子どものうちから食べていると、それは代々引き継がれていくのではないかと。知ってしまうとますます消費が上がるかもしれないですね!」