7日は全国的に気温が上がり、夏の暑さとなりました。全国110地点以上で真夏日を観測。鳥取砂丘では、熱中症の疑いでレンジャーに救助される観光客が相次ぎました。(6月7日OA「サタデーステーション」)
■全国で真夏日続出 熱中症疑いも
毎年30万人が集まる東京・台東区のお祭り。夜になっても熱気であふれています。
報告・矢谷一樹ディレクター(東京・台東区7日午後7時ごろ) 「強い日差しが出ている中、子どもたちは汗をかきながらみこしを担いでいます」
都内では、真夏日を記録する地点が相次ぎ、7日の東京都心は7月中旬並みの暑さでした。こちらの会場では、熱中症対策としてアイスや飲料水を無料で提供し、水分補給を呼びかけていました。東京消防庁によると7日都内で熱中症の疑いで救急搬送されたのは7人。
富山の最高気温は30.9℃。厳しい暑さの中、行われていたのは、ティラノサウルスの着ぐるみを着てレースをする、その名も“ダイナソー祭り”です。この暑さの中での着ぐるみに、参加者も…
参加者 「暑いです。サウナみたいです」
7日は全国111地点で30℃以上の真夏日となりました。
■「5月の土曜すべて雨」待望の営業
都内では、この天気を待ち望んでいた人たちもいました。日野市で去年3月オープンした、高さおよそ16メートルのタワー型アスレチック。
八王子市からきた親子 Qアスレチックを選んだ理由は? 子「天気がいいから」 親「(5月の)雨の時も来たね、でもここがやってなくて」
東京では3月末から先週まで、10週連続で週末に雨が降っていました。この施設でも5月の土曜は、すべて雨が降ったといい、3回の臨時休業を余儀なくされました。
ハグトラトプス 小林麻里子 営業所長 「特に週末には多くのお客様のご利用見込みとなっておりますので、影響がかなり大きかったです」
5月の週末の利用客は、去年と比べるとまさかの半分以下に…。そして間もなく、梅雨や台風の時期がやってきます。
ハグトラトプス 小林麻里子 営業所長 「(来週の)土日も雨予報60%になってます。天候が変わることを期待して、お客様のご来場をお待ちしております」
■“熱中症疑い”観光客の救助相次ぐ
サタデーステーションが向かったのは、年間100万人以上が訪れる鳥取砂丘。7日の鳥取市の最高気温は31.5℃、真夏日となりました。
報告・仁科健吾アナウンサー 「午前9時半すぎです。まだ午前中の早い時間帯なんですが、体調を崩された方がいるということです」
鳥取砂丘では、熱中症の疑いで救助される観光客も相次ぎました。
鳥取砂丘レンジャー 石橋和明さん 「おしりのほうから乗ってね、ベルトしますね」 70代女性 「すみません 申し訳ない」
北九州から夫と訪れた70代の女性。砂丘用に特注したタイヤの大きな車いすを使い、3人がかりで搬送します。
鳥取砂丘レンジャー 石橋和明さん 「たくさん汗が出ているので熱中症疑い。救護室の準備お願いします」
救護活動を行っているのは「砂丘レンジャー」です。鳥取県の職員で、普段は観光客へのガイドなどをしています。熱中症の疑いのある人を素早く見つけるために、わずかな異変も見逃しません。
鳥取砂丘レンジャー 石橋和明さん 「座っている方が今2人いますね。左側の方なんですけど、登る時にだいぶ苦労して登られて」
降りてきたタイミングで声をかけました。
鳥取砂丘レンジャー 石橋和明さん 「飲み物渡しましょうか?」 30代男性 「いただきます。しんど…」 鳥取砂丘レンジャー 石橋和明さん 「(飲み物が)空になったのずっと見てたから」
京都から友人たちと訪れた30代の男性は、その場に座りこんでしまいました。
鳥取砂丘レンジャー 石橋和明さん 「運搬車の出動お願いします」
その後、到着したのは、砂丘用に特注した運搬車。男性は救護所で1時間休んだ後、自力で帰ることができたといいます。今年、鳥取砂丘での熱中症の疑いなどによる搬送は、取材した7日の2件を含め、すでに10件に。一方、過酷な状況で救護活動を続ける「砂丘レンジャー」にも、6月から大きな変化がありました。
■救助側も熱中症対策義務化
鳥取砂丘レンジャー 福島良リーダー 「観光客の皆さまの熱中症予防対策を考える中で、レンジャーも熱中症になる可能性がありましたので」
新たに張り出されていたのは、「砂丘レンジャー」に熱中症の疑いが出た場合の手順。これは、6月から職場での熱中症対策が義務化されたことを受けてのものです。職場での熱中症による死傷者は 去年、1200人を超え、統計開始以降、最多となっています。
砂丘レンジャーがパトロールを行なう様子を、サーモカメラで覗いてみると…
報告・仁科健吾アナウンサー 「あたりは真っ赤になっています。日影がなくて、レンジャーの足元もじわじわと赤くなっているのがわかります」
赤い部分の温度は50℃を超えています。砂丘レンジャーの負担を減らすために、去年から導入していたドローンは、今年から、巡視エリアを拡大しました。4月からは1人を増員、常に2人体制で監視を続けられるようにしており、さらに6月からは、1時間だった休憩時間を2時間半に増やしました。
■気になる今年の梅雨入りの時期は?
厳しい暑さから一転、8日は梅雨前線が北上し、西日本では雨となる見込みです。梅雨入りはいつになるのでしょうか?
森口哲夫気象予報士 「九州北部や四国は8日にも梅雨入りし、9日の月曜日には関東甲信まで一気に梅雨入りとなりそうです。次の週末には東北まで広く雨の季節になりそうです」
さらに、梅雨入り早々、大雨にも注意が必要です。
森口哲夫気象予報士 「10日(火)ごろにかけて九州を中心に“警報級の大雨”になる恐れがあります。今年の梅雨は時期が短くなる予想です。ただ、降水量は平年並みと予想されていますので短い時間に集中して降る、短期集中型の雨になりそうです」
去年、九州南部では6月8日に梅雨入りし、21日は梅雨前線の影響で線状降水帯が発生。道路の冠水や土砂崩れなどが相次ぎました。
■黒潮大蛇行の“終息”で好影響…岩がきの収穫量は去年の2倍以上に?
番組が訪れたのは三重県鳥羽市にある岩がきの養殖地。
あだこの岩がきを養殖する北川二一さん 「これが今年出荷する岩がきになります」
この海域で岩がきを養殖する北川さん。ここで育った「あだこの岩がき」は身が大きく1つ2000円にもなるという高級品です。
あだこの岩がきを養殖する北川二一さん 「毎日300個から400個くらい…今年はちょっと(収穫量が)増えているので楽しみですね」
今は収穫の時期で今年は収穫量が去年の2倍以上になる見込みだといいます。なぜここまで収穫量が増えているのか…?要因の1つとして考えられるのが黒潮の変化です。 これまで北川さんがかきを養殖している本州南の海上付近では「黒潮の大蛇行」によって暖かく湿った空気が流れ込み、海水温が高くなっていました。 ところが、この「黒潮の大蛇行」に終息の兆しがみられると気象庁が発表。海水温が下がることによってかきの収穫量や味に良い影響があるのだといいます。
あだこの岩がきを養殖する北川二一さん 「去年は今の時期で水温が22~23℃だったのが今年は20℃くらい。その2℃3℃の海の海水温って結構でかいので、いい状態のかきをちょっとでも長く維持できる」
そして、この黒潮大蛇行の“終息”はこの先の気候にも変化をもたらす可能性も…
森口哲夫気象予報士 「東海や関東地方に南から暖かくて湿った空気が流れ込んできて猛暑になりやすい状況でした。大蛇行がおさまると、この影響は小さくなると考えられます」