さまざまな色に染めたイグサを織り込んだ敷物「はなむしろ」の企画展が岡山県倉敷市で開かれています。
倉敷民芸館に展示された色鮮やかな「はなむしろ」。
岡山県南部の平野は、かつてイグサの一大産地で、明治時代にはイグサ製品が海外に盛んに輸出されていました。しかしライフスタイルの変化などで生産量は減少しました。
暮らしの道具に美を見出す「民芸運動」に取り組んでいた染色家・芹沢銈介や倉敷民芸館の初代館長外村吉之介らが、1930年代以降、「はなむしろ」のデザインに関わり暮らしに取り入れやすいものになるよう尽力しました。
外村吉之介デザインの「はなむしろ」です。青と緑のものは1960年代の作品ですが、すぐ隣の赤いものは2024年、倉敷市の職人が復刻させました。
デザインは当時のまま、時が経つにつれて少しずつイグサの色合いが変わる様子も楽しめます。
芹沢銈介のデザイン。よく見ると、色の間にまた別の色のイグサが細やかに織り込まれています。
会場には1960年代の作品を中心に、20点余りが展示されています。
(記者リポート)
「手触りも良くて、イグサのいい香りがしますね。これはどういったものですか」
(倉敷民芸館/岩村菜々子 学芸員)
「こちらは販売しているそろばん柄のはなむしろです。両面色が変わっていて、どちらもご使用いただけます。暮らしに寄り添うデザインになっているので、お気軽に皆様の生活に取り入れていただけると思う」
展示されている「はなむしろ」のうち、数種類は「復刻版」が販売されています。企画展は9月7日まで倉敷民芸館で開かれています。