86歳の女優、渡辺美佐子さん主演の舞台「サイパンの約束」が11日、岡山市で上演されます。脚本・演出は岡山市出身の坂手洋二さん。お2人に見どころなどを聞きました。
(女優/渡辺美佐子さん) 「坂手さんは今度、来年の秋にどうですか?みたいなお声をかけていただいて、あ、やらせていただきますって言ってその間スリルですよね。サスペンスですよ、どんなご本ができるのか、どんな女になるのか全然わかんないですから、そのドキドキしながら待っている時間というのはたまらなく面白いですね」
岡山市出身の劇作家、坂手洋二さん率いる劇団「燐光群」の新作「サイパンの約束」。日本の統治下にあったサイパンで戦前、少女時代を過ごした女性が70年数年ぶりにサイパンを訪ねます。 そこから、島の戦争の歴史や女性の人生が語られ始めます。
(女優/渡辺美佐子さん) 「女の半生記みたいなところがありましてね、このドラマは。で、その人がどんどんと過去にこの島で経験したことをドラマにしていくためには14,5歳の少女からやんなきゃいけないわけですけど、それも全部、扮装を変えたりしないで白髪の女がその当時のことを再現していくっていう、そういう面白さが…びっくりしました」
(「サイパンの約束」脚本・演出/坂手洋二さん) 「美佐子さんとご一緒するとやっぱり僕らの世代だとわからないこともあるし、何しろ演劇や映画をずっとなさって経験値がずっと豊かなので。共演者たちも、いっぱいいろんなものがもらえるのは楽しくてしょうがないという感じでみんなやっていますね」
(女優/渡辺美佐子さん) 「私が口に出して言うんじゃなくて、自分でやってみてああこういうことかってわかってくださるといいなって」
坂手さんがこだわる戦争の歴史。特にサイパンは沖縄からの移住者が多かったことから、現代の沖縄につながる問題も浮き彫りになります。
(女優/渡辺美佐子さん) 「このごろ、憲法のことや戦争のことをお話しすることがすごく多くなったんですけど、しょうがないんですね。それを語ることができる人がどんどん少なくなっちゃってるんで。だからどんどんそういうことをしゃべらなきゃいけない、伝えなきゃいけないという思いがあるのと、坂手さんが思ってらっしゃることがたまたま一致するっていうんですかね、いろんなことを思い起こさせてくれた作品ですね、この作品は」
「サイパンの約束」は11日午後7時から、岡山市の市立市民文化センターで上演されます。