社会や地域課題解決への取り組みを称える「プラチナ大賞」で、香川県小豆島の「迷路のまち」と妖怪美術館を中心としたプロジェクトが「地域再生賞」に輝きました。
受賞したのは、香川県土庄町の「迷路のまち」でアートプロジェクトを展開する「MeiPAM(メイパム)」など、3つの団体です。 全国の自治体トップや経営者らでつくる「プラチナ構想ネットワーク」が主催するもので、第8回の今年は全国58件の応募から14団体が受賞しました。
「MeiPAM」が展開する「妖怪美術館」。明治時代に建てられた呉服店や米蔵、昭和の活版印刷所を改装して「妖怪」のアート作品を展示し、美術館として再生させました。
現在開かれている企画展「大妖怪運動会」では、東京オリンピックを前に逃げ足が早い妖怪や全てを見通す審判員など、様々な特徴を持つ妖怪のフィギュアを「運動会」に見立てて展示しています。
(瀧川奈津希リポート) 「大妖怪運動会の総合司会者として立っているのがこちらの妖怪、あの芸能人に見えませんか?オリーブを食べすぎてこの緑色になったそうです」
このほか、昭和期の花屋さんを改装して、折り鶴アーティスト小野川直樹さんの作品も展示しています。
(瀧川奈津希リポート) 「こちら美術館で一番大きな作品なんですが、人差し指の第一関節に乗るくらい一羽が小さいです」
作品「群青」は、盆栽に青い葉っぱがついたような作品で、約3000羽の折り鶴で作られているそうです。
妖怪や折り鶴といった日本文化を背景としたアートを活用して古民家を再生させたことで、「迷路のまち」の観光客は2013年に約2万人だったのが、2019年は10万人以上と、5倍に増えました。
(MeiPAM/佐藤秀司代表) 「この街をとにかく輝かせたいという発想のもとに今あるものを生かしながら、そういったものに光を当てて新しい価値をここで見出していこうということ、そしてそれによってお客様に喜んでいただくそういう体験型の喜びをですね、私たちも提供したいというふうに思っています」
MeiPAMの代表佐藤秀司さんは今回の地域再生への取り組みを書籍化するため、クラウドファンディングで資金を募っています。
(MeiPAM/佐藤秀司代表) 「私たちも一つの成功体験を得たので、これをぜひほかの地域の地域再生に悩む方々に共有をさせていただいていきたいと思っています」