普段とは違った雰囲気を楽しめます。瀬戸内国際芸術祭で多くの観光客を集める香川県小豆島で、この夏、夜限定のイベントが始まりました。妖怪にまつわるアート作品を展示する「妖怪美術館」や周辺の街を巡る、名付けて「妖怪ナイトツアー」です。
宿泊客が増える夏休み期間に、「夜の楽しみ」を提供しようと、企画したものです。妖怪美術館の館長を務める妖怪画家、柳生忠平さんが案内人を務める日もあります。
(記者) 「提灯を持っていよいよスタートです。参加者は耳にイヤホンをつけています。夜なので大声で案内できないこともありますが、案内人の忠平さんのささやき声が耳元で聞こえます」
普段の入り口ではなく、狭い脇道を通って裏口から妖怪美術館に入ります。
(記者) 「日中は明かりをつけて妖怪の作品を展示しているんですが、ナイトツアー限定のライティングとなっています。妖怪の『影』もなんだか不気味ですよね」
妖怪美術館4では、2013年から行っている妖怪フィギュアの公募展「妖怪造形大賞」の応募作品を展示しています。現在は「平成妖怪図鑑」と題し、監視社会をモチーフにした「目玉」の妖怪やSNSでの「いいね」を追い求める妖怪など、平成を象徴する妖怪が並んでいます。
そして、ナイトツアーでは今の企画展示からは外れた約600点が保管されている「バックヤード」も特別に見学できるんです。
(妖怪画家/柳生忠平さん) 「これだけの数が集まってるんで、いろんなものがうごめいてるかもしれないですけど、見てもらうことによって喜んでるんじゃないか」
美術館の展示を鑑賞した後、一行は、「迷路のまち」と呼ばれる土庄町の狭い路地が入り組んだエリアへ…
(妖怪画家/柳生忠平さん) 「雷が鳴ると『雷獣』っていう獣が雷を起こす(と言われた)。自然現象がそのまま、昔は解明されずに妖怪に結びついてることが多い」
所々で、忠平さんによる妖怪の解説を聞きながら、参加者は約1時間のツアーを楽しみました。
(参加者はー) 「昼間見る感じと、夜に明かりをともしながら見る感じとまた雰囲気が違うと思う。他にも類を見ない、ひとつのアトラクションじゃないかと思いました」 「ちょっと怖いですけど、かわいい妖怪とかいたので面白かったです」
(妖怪画家/柳生忠平さん) 「普段、昼間見てる風景とは違う夜の顔をちょっと体験してもらって、異界、異世界に来たような感じになってもらえばいいなと。小豆島の夜を、妖怪と一緒に遊び尽くしてもらおうかなと思ってます」