震災の発生から2週間足らずで開幕した春のセンバツ高校野球。
この開会式の選手宣誓の言葉が全国の人たちを勇気づけました。あの球児は…今。
全国の人たちを勇気づけた球児 野山慎介さん
(創志学園/野山慎介 主将[当時])
「人は仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています。支え合って何とかここを乗り越えていこうという、そんな気持ちだけを伝えたいと必死でした」
創志学園野球部の初代主将を務めた野山慎介さん。宣誓の経験が人生の支えになっていると話します。
(震災直後のセンバツで選手宣誓/野山慎介さん[26])
「宣誓した自分というのが背中を支えてくれたりとか、もっと頑張らなきゃいけないなとか、このままじゃダメだということは何度かあるので本当に支えられています」
当時、創部1年でセンバツ出場を果たした創志学園。開会式は、震災の12日後でした。
(創志学園/野山慎介 主将[当時])
「がんばろう日本!生かされている命に感謝し全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います」
野山さんの宣誓の反響は大きく学校には、全国から手紙やファックスが届きました。
今でもあの日の誓いを胸に―
岡山県和気町出身の野山さんは現在、赤磐市役所で働いています。
関東の大学を卒業後、地元・岡山で就職しようと思った理由の1つがあの日の宣誓です。
(野山慎介さん[26])
「もっと身近で人のために働きたいという僕のやりがいの部分があって、あの時応援してもらった岡山のために働きたいというのがあったので、まだまだ大変な思いをされている方もいらっしゃると思うんですけど。それでも真っすぐ強く生きていらっしゃることを本当に尊敬しますし、そういうこと(災害)が起こったときにしっかりと対応できるような社会人になりたいと今は思っています」
野山さんは今でもあの日の誓いを覚えています。
(野山慎介さん[26])
「私たちに、今、できること。それはこの大会を精一杯、元気を出して戦うことです。がんばろう…、がんばろう日本!」