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「ご飯まだ?」と何度も…認知症高齢者への接し方のポイントは 香川・坂出市

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 9月は国際アルツハイマー病協会が制定した「世界アルツハイマー月間」であることに合わせ、高松市のシンボルタワーが22日まで認知症支援のシンボルカラー、オレンジ色にライトアップされています。

 認知症の高齢者は年々増えています。
 厚生労働省によりますと、全国の認知症の高齢者の割合は2012年には約7人に1人でしたが、2025年には、約5人に1人になると予測されています。支援には、どんなことが必要なのでしょうか。

家族や地域、「身近な人」の支援が力に

 香川県によると、専門家の力を借りることは大切ですが、家族や地域の人といった「身近な人」の支援が認知症の高齢者にとって力になるということです。どんなところがポイントになるか取材しました。

 坂出市で21日、認知症に関する市民向けの講座が行われました。講師を務めた社会福祉士の三嶋孝弥さんは「尊厳のある個人として接することが重要だ」と話しました。

(社会福祉士/三嶋孝弥さん)
「物忘れは確かにあるかもしれないけど、感情もちゃんとあるし、言う言葉によって反応もするんだよっていうのは大前提として押さえておくべき」

食べたばかりなのに「晩ご飯まだ?」と聞いてきたら?

 認知症の高齢者が晩ご飯を食べたばかりなのに「晩ご飯まだ?」と聞いてきた時にどう対応するのがいいのか。

 社会福祉士の三嶋孝弥さんによると、この場合は、「このテレビ番組が終わったら作るね」などと気をそらしたり「これでも食べて待っててね」と小さいお菓子などを出してあげたりするといいということです。

 大事なのは「さっき食べたこと忘れたの?」などと否定せずに、受け入れて様子を見ることです。

(社会福祉士/三嶋孝弥さん)
「何度言われても優しく対応するよう心掛けましょう」

認知症の高齢者への接し方のポイントは3つ

 三嶋さんは、市民向けの講座の中で認知症の高齢者への接し方のポイントについて「驚かせない」、「急がせない」、「自尊心を傷つけない」の3つを挙げました。

 具体的な行動としては、「後ろから声を掛けないこと」、「相手の目線にあわせて優しい口調で話すこと」、「余裕を持って、相手の話にゆっくり耳を傾けること」などを紹介しました。

 また、本人が困っている場合にはそれとなく手助けをして成功体験に結びつけることが大切だということです。

(受講者は―)
「大きな声で早くしてよとか言ってますよね、普段どうしても。でもこの講習を通じて、こういうことに気を付けなければいけないなと理解して、笑顔でっていうのを感じました」

認知症高齢者が当たり前に受け入れられるような地域に

(社会福祉士/三嶋孝弥さん)
「特別なこととして捉えずに、それ(認知症の高齢者)が当たり前に受け入れられるような地域になればいい」

 今回紹介したような講座は他の自治体でも開かれています。そして、講座に参加するのが難しいという人には絵本で理解を深めるという選択肢もあります。

 絵本「だいじょうぶだよ―ぼくのおばあちゃん―(作・長谷川和夫 絵・池田げんえい[ぱーそん書房])」は、認知症研究の第一人者で自らも認知症になったことを公表した医師が作ったものです。認知症になったおばあさんと家族の会話を通じて「笑顔で接して安心感を与えることの大切さ」などを伝えています。

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