参院選・香川選挙区の選挙戦を振り返ります。野党共闘となった過去2回の参院選から一転、史上最多となる8人が立候補した今回。野党の代表と幹部の地元で候補者「乱立」となった理由は。
(立憲民主党/小川淳也 政調会長)
「(Q.野党共闘、しなかったのかできなかったのか?)できませんでしたね。私はしたかった。できることなら」
(国民民主党/玉木雄一郎 代表)
「政策の一致なしに、選挙のたびにくっついたりはっついたりすることは、国民の理解が得られないと思う」
香川1区選出で立憲民主党の政調会長・小川淳也さんと、香川2区選出で国民民主党の代表・玉木雄一郎さん。同じ高校、大学の先輩と後輩にあたる2人はともに官僚出身で、旧民主党から出馬した「盟友」とも言える存在です。
3年前の前回の参院選では所属先が分かれたものの一緒に野党統一の新人候補を擁立し、自民党の現職に約4万5000票差まで迫りました。
6年前の前々回の参院選では当時の民進党が候補者を取り下げ、全国の一人区で唯一、共産党候補で一本化するなど香川県は野党共闘の「先進県」でした。
しかし今回は、その野党共闘が実現せず、候補者が乱立することに……。
背景には、与党に対抗できる野党の受け皿作りを目指す小川さんと、与野党を超え政策本位で進めていくべきだという玉木さんの考えの違いがありました。
国民民主党が2022年度の政府の予算案に賛成したことも「溝」を深めました。
(立憲民主党/小川淳也 政調会長)
「不信任案に反対して、本予算に賛成して、それは自民党と全く一緒です。何も変わりませんからね。何を争点に選挙を戦っているのか。この際、立ち位置ははっきりされた方がいいと思います」
(国民民主党/玉木雄一郎 代表)
「(Q.野党共闘が成り立たず、政権交代から遠のいたという声がありますが?)それは野党第一党に聞いてください。昨年の衆議院選挙でも、われわれ議席を増やすことができたので、対決よりも解決」
過去2回の参院選では共闘を進めてきた共産党も今回は独自候補を擁立しました。
(共産党香川県委員会/中谷浩一 委員長)
「立憲民主党さんに相談は持ちかけたんだけど、話し合いがまとまらないまま本番来ちゃったということなので、力を合わせられるところとはいつでも力を合わせてやりたいというのは変わっていない」
さらに、元々共闘には加わっていない日本維新の会も四国での党勢拡大を狙い、2021年の衆院選に続いて香川で候補者を擁立しました。
対する自民党は連立を組む公明党とともに持ち前の組織力で優位に選挙戦を進めました。
内閣官房副長官を務める現職の磯﨑さんの総決起集会には知事や市長らも顔を揃え、選対本部長を務める平井卓也衆議院議員は政権与党としての「実行力」をアピールしました。
(自民党/平井卓也 衆院議員)
「今回の選挙は8人の候補がおられますけれども、政策を掲げて、皆さま方に具体的な約束をして立候補している。実現可能な政策を皆さんに提示しているのは、この選挙区では磯﨑仁彦さんしかいない」