絶滅が危ぶまれている淡水魚「アユモドキ」を、ビオトープで繁殖させようという取り組みが岡山市で行われています。
13日、専門家と保全団体が繁殖に成功しているかどうかを調査しました。
現在、確実な生息地は岡山県と京都府のみとも言われ、環境省は絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧ⅠA類としています。
岡山市東区のキリンビール岡山工場の中にあるビオトープです。
ここでは2016年以降、水槽で人工繁殖したアユモドキの稚魚を放流しています。その後一定数のアユモドキが、おとなに成長したことは確認されています。
実は、人工繁殖したアユモドキの稚魚が自然に近い環境で成長し、子孫を残したという学会での報告はありません。
今回、稚魚が見つかれば、大きな発見となります。果たして結果は…!?
網に入ったのはカマツカ、ヨシノボリなどさまざまな淡水魚……。
(瀬戸アユモドキを守る会/小林一郎さん)
「アユモドキ以外は増えとんじゃけど、アユモドキが出てこない。まだ誰もやったことがないことをやっとるわけじゃから……」
13日も稚魚は見つかりませんでした。一方で、明るい材料もありました。
6月、ビオトープの岸近くをあぜ板で囲い、アユモドキの産卵に適した浅い湿地エリアを設けたところ――。
このエリアに大人のアユモドキがやってきたのです。まだ前例のないビオトープでのアユモドキの繁殖まであと少しかもしれません。
(ラーゴ 生物多様性研究室/阿部司 室長)
「これまでの改善で産卵環境はかなり整ってきたのかなと思います。一方で、まだオスは成熟してるんですが、メスが成熟していないという課題があります。メスが卵をおなかに持てるように、生息環境を含めて改善していくことが重要だと思っています」