ビール工場で絶滅危惧種の保全活動に取り組んでいます。ドジョウの仲間アユモドキの稚魚の調査が16日、岡山市で行われました。
今回調査するアユモドキの稚魚は、岡山に生息するドジョウ科の淡水魚です。環境省のレッドリストでは絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧ⅠA類とされ、国の天然記念物です。
キリンビール岡山工場に整備されたビオトープで、専門家や保全団体のメンバーが稚魚の調査を行いました。今年ふ化した稚魚を確認し、繁殖の有無を調べます。
2016年から2019年まで人工繁殖したアユモドキを放流してきました。
(記者) 「岸際には水草も植えてますね」
キリンビール岡山工場では2019年、ビオトープに湿地を整備しました。アユモドキが出水期に増水してできる水辺に産卵するためです。
これまで学会などでは、人工繁殖したアユモドキが自然状態で繁殖したという報告例はありません。残念ながら16日の調査でもアユモドキの稚魚は確認できませんでした。
過去に試験放流したアユモドキの成魚は見つかり、今後の繁殖に期待がかかります。
(環境省希少野生動植物種保存推進員/阿部 司さん) 「自然状態の繁殖では複数の個体が繁殖に参加することができますので、遺伝的多様性を高く保つことができます。自然状態の繁殖を目指しています」
うれしい発見もありました。アユモドキと同じ絶滅危惧ⅠA類のサンヨウコガタスジシマドジョウ。尾びれ近くで途切れる筋模様が特徴で主に岡山に生息しています。 開発の影響などで激減していますが、2020年ふ化した稚魚も見つかりました。