岡山県で高級車の窃盗事件が相次いでいます。いずれも車の制御システムを操る新たな手口と見られていて、県警が注意を呼び掛けています。
盗難が相次いでいるのはレクサスのLXシリーズです。「LX」は、レクサスのSUVタイプでは最高級クラスで、新車価格は1250万から1800万円ほど。中古でも1000万円以上の値がつくなど、値崩れしない人気のシリーズです。
(レクサス岡山/中原昌樹 マネージャー)
「LXは全世界で人気な車種になりますので、人気があるゆえということですね」
(岡山県警本部 生活安全企画課 犯罪抑止対策室/伊藤岳大 室長)
「他の県警が検挙した事例を見てみますと、転売目的での窃盗が多いとみています」
岡山県では11月下旬から約2週間の間に、4台もの「LX」が盗まれました。いずれも深夜から未明にかけての犯行で、容疑者逮捕には至っていません。
岡山県警は現場の状況から、「CANインベーダー」と呼ばれる新たな手口での犯行とみて調べを進めています。
「CAN」とは、車の動作を制御するネットワークのことです。「CANインベーダー」はバンパーを取り外して車の内部の配線に特殊機器のケーブルをつなぐことで「CAN」に接続し、システムを乗っ取る手口です。これにより強制的にエンジンをかけたり、ロックを解除したりできます。
慣れていれば数分間のうちに犯行できるとみられています。
岡山県警によりますと、「CANインベーダー」を完全に防ぐ方法は今のところなく、ハンドルやタイヤに別売りのロックをかけるなど少しでも犯行を遅らせることが一番の対策だとしています。
(岡山県警本部 生活安全企画課 犯罪抑止対策室/伊藤岳大 室長)
「駐車場に監視カメラを設置したりシャッターを設置するなど、複数の対策を講じていただければ盗難のリスクも軽減すると思います」