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【解説】最大3.5万ポイント付与も! 自治体独自策などでマイナカード普及へ 香川・岡山

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 今回の解説は「マイナンバーカード」についてです。「マイナンバーカード」は7年前、2016年1月に交付が始まりました。総務省のまとめによると12月末時点の交付率は57.1%でした。

 国がマイナンバーカードの普及のために打ち出しているのが、最大で2万円分のポイントの付与です。このポイントはキャッシュレス決済で使うことができます。さらに、ここに自治体が独自にポイントを上乗せする動きがあります。香川では最大3万5000ポイントがもらえる自治体があるんです!

マイナカード普及へ 自治体独自の取り組み

(記者リポート)
「マイナポイントですが、こちらさぬき市では国の2万円分、県の5千円分に加えて市独自の1万円分が付与されます」

 マイナポイントを巡っては、香川県が2022年10月からマイナンバーカードを持っている人に5000ポイントを上乗せする事業を行っています。

 さぬき市は2022年11月から、そこにさらに1万ポイントを独自に上乗せ。さぬき市でマイナンバーカードをつくれば最大3万5000ポイントをもらうことができます。

(さぬき市 プロジェクト推進室/三宅智浩 係長)
「物価高騰ですとか原油価格高騰で、国の交付金などを活用して、この度の市民生活支援のための取り組みを行うことになりました。『(上乗せで)1万ポイントもらえるチャンスがあるんだ』ということで、すごく歓迎されている部分はありますね。デジタルという行政を進めていく上では、このマイナンバーカードというのが、いろんな手続きをする際のカギとなるものですから、すごくいい機会になっていると思います」

(申請に訪れた人は―)
「(ポイントを)いただけるものだったらと思って」
「ポイント還元があるって聞いて、家族でやろうかって。(申請は)わかりやすかった。買い物とかでちょくちょく使っていこうかな」

 さぬき市のマイナンバーカードの交付率は2022年12月末時点で64.1%。これは香川県の自治体で最高です。独自の上乗せを行う前の2022年10月末と比べて、2カ月間で12ポイント近く上がりました。

 国が最大2万ポイントのポイントキャンペーンを行っていることもあり、マイナンバーカードの交付率は順調に上がってきています。

 全国の2022年12月末までの交付率は57%ほどですが、2023年1月22日までの申請数でみると、すでに3分の2以上の人(67.3%)がマイナンバーの申請を済ませています。

 高松市役所のマイナンバーカードの交付窓口も2022年11月下旬から混雑が続いています。

(高松市 市民課/上野一明 課長補佐)
「想定を超えている状態。毎日、日が変わるころまで仕事をしている職員も大勢いるので、かなりひっ迫している」

 香川県やさぬき市独自のポイントは1月までの「申請が有効」とされていますが、申請にはマイナンバーカード自体が必要です。

 現在、カードの交付までには1カ月程度時間がかかるということで、実質、まだカード交付の申請をしていない人が県のポイントを受け取ることは難しいということです。

 また、マイナンバーカードを受け取ってもすぐにポイント申請ができないケースもあるので、ご注意ください。

 さぬき市のほかにも、マイナンバーカードを作ると独自の特典を与えている自治体があります。東かがわ市は、さぬき市同様に1万ポイント。岡山県早島町は2500ポイントを上乗せしています。

 坂出市はポイントではなく、作った人に1万円分のクオカードを贈っていました。こちらは2022年12月末で受け付けが終わっています。

 このほか、備前市は世帯全員がマイナンバーカードを取得した場合、新年度から小中学校の給食費などを無料にすると通知しました。交付率が低い若い世代への普及を図ったものとしていますが、これには反対の声も上がっています。

保険証・確定申告もマイナカードで

 国や自治体がいろいろな手法でマイナンバーカードの普及を図っていますが、近い将来、マイナンバーカードがないと生活に困る状況になるかもしれません。

 2022年10月、国は2024年秋にも「健康保険証」を廃止し、マイナンバーカードとの一体化を目指すと発表しました。マイナンバーカードを作るかどうかは基本的に「任意」とされていますが、この健康保険証との一体化には「実質の義務化ではないか」と指摘する声もあります。

(香川県保険医協会/太田展生 理事長)
「(現在の)保険証を通じてやっている保険医療が、(現在)何にも今は困らないんです。全部これ押し付けられて、そういうことに危惧を感じる。いい方を選択できるこういうシステムであれば」

 「マイナ保険証」を巡っては、実際に使われる病院や薬局の整備も課題です。厚生労働省のまとめでは、マイナ保険証が使える病院や薬局の割合は1月15日時点で、岡山県では48.5%、香川県では46.6%といずれも半数に届いていません。

 このほかにも、マイナンバーカードをさまざまな場面で使えるようにする動きは広がっています。

 岡山市立の図書館では1月18日からマイナンバーカードで本を借りられるようになりました。

 2月16日に始まる確定申告では、マイナンバーカードとスマホを連携させると医療費が自動で入力されるなど、利便性が増しています。

 マイナンバーカードは通知書がなくても、免許証など本人確認ができる物があれば作ることができます。一方、受け取りには注意点があります。15歳未満の子どもの場合、「申請」は親が代理でできますが、「受け取り」は原則、子ども本人が窓口に行く必要があります。

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