夏の高校野球・香川大会。全国制覇を成し遂げた父の背中を追って同じ高校に進んだ球児がいます。普段はあまり話をしないという親子にこの夏、新たな絆が芽生えました。
観音寺総合のキャプテン小倉昇英。スタンドで見守るのは父・英貴さんです。
英貴さんは1995年、観音寺総合に統合する前の観音寺中央のセカンドとして春のセンバツ甲子園で優勝、夏の甲子園にも出場しました。
小倉は英貴さんが甲子園に寄贈した当時のユニフォームを見て、父が成し遂げたことを思い知りました。
(観音寺総合/小倉昇英 主将[3年])
「小学校から甲子園が憧れだったので。(父が)記録に残るような選手だったことに驚きました」
それでも父から当時の話を聞くことはあまりないそうです。
(観音寺総合/小倉昇英 主将[3年])
「あんまり家でしゃべらないんで あんまりしゃべらないです」
(父・英貴さん)
「あんまり野球の話はしないですけどね。(父のセンバツ優勝を)気負うことなく本人にも野球に携わってもらいたかったし、言いたい気持ちはすごくあるんですけど、極力胸にしまって我慢しています」
(観音寺総合/小倉昇英 主将[3年])
「親子ともに全国優勝するという目標で観音寺総合に来たのでそれは一つの目標として3年間頑張ってきました」
父の背中を追って迎えた最後の夏――。
1点を先制した観音寺総合は8回まで無失点。レフトの小倉も堅実な守備で試合を引き締めます。それでも9回裏に追いつかれ、試合は延長タイブレークに。
10回裏2アウト1塁2塁で、相手が打った打球をショートがエラー。レフト・小倉のバックホームも間に合わずサヨナラ負けを喫しました。【観音寺総合 1-2× 寒川(延長10回タイブレーク)】
(父・英貴さん)
「最後まで一生懸命プレーしてくれたことをチームとしても誇りに思いました。私も最後(夏の)甲子園の日大藤沢戦、セカンドゴロをバックホームしてサヨナラで負けましたので。共通点ができたので野球の話をする時はその共通点を話したいと思います」
(観音寺総合/小倉昇英 主将[3年])
「高校で野球やめるので『今までありがとう』って言いたいと思います」
2人は試合後の集合写真の撮影で横に並び、照れくさそうな笑顔で言葉を交わしていました。