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「香川をデザインした男」和田邦坊の作品・資料をまとめた本が完成 渋沢栄一や菊池寛へのインタビュー記事なども掲載

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 「香川をデザインした男」と言われている和田邦坊の作品や資料をまとめた本が完成しました。東京で活躍していた頃の作品が中心ですが、和田邦坊は、岡山・香川のあの有名人たちも取材していました。

 この本は、画家でデザイナーの和田邦坊の作品のほとんどを収蔵している善通寺市の灸まん美術館の学芸員・西谷美紀さんらが中心になってまとめました。

 和田邦坊は1899年(明治32年)に香川県琴平町に生まれました。東京の新聞社などで時事漫画家として活躍し、小説「うちの女房にゃ髭がある」で一躍・時の人になります。その後、香川に戻り、地元で多くのデザインを手がけ「香川をデザインした男」とも言われています。

(灸まん美術館/西谷美紀 学芸員)
「2018年から美術館が邦坊の遺品を整理した一部。邦坊の自宅にあった東京時代に発表した多くの切り抜きを整理、600点近くの切り抜きをまとめて発表しました」

 まとめられた本は、B5サイズ・84ページで、和田邦坊が昭和初期、東京で時事漫画家として活躍していた頃に著名人を取材した記事や似顔絵が載っています。

 掲載されているのは、新1万円札の顔・渋沢栄一や、香川県出身の文豪・菊池寛、岡山県出身で日本人女性初のオリンピックメダリストになった人見絹枝へのインタビュー記事など、合わせて16点です。

 邦坊の描いた似顔絵と共に、邦坊独自の人物評が面白く書かれています。

 中でも、菊池寛との対談は6ページにもわたります。1934年(昭和9年)に雑誌「キング」に掲載されたものです。
 2人は同じ香川県出身という事もあり、邦坊は、菊池寛の事を「菊池ッあん」と呼ぶなど、2人の親しい関係が書かれています。

(灸まん美術館/西谷美紀 学芸員)
「菊池寛は難しい性格だが、邦坊が香川出身ということから、邦坊に対しては非常に気持ちが緩やか。邦坊が『エレベーターが苦手』と言うと、菊池寛が降りてくれたり、嫌いなことに配慮しているなど、親しい中をうかがい知ることが出来る。菊池寛が亡くなった後も邦坊が周囲に銅像設立の協力を仰いだりして、地元での活躍も支えていた」

 また、菊池寛記念館の学芸員・槲田瑶子さんが菊池寛と邦坊との関係を紹介した特別寄稿文も載っています。

 灸まん美術館は、この本を500部作り、県内の図書館などに寄贈したほか、灸まん美術館で販売もしています。(1部1500円)

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