お菓子のパッケージやお店のデザインなどを多く手掛け「香川をデザインした人物」とも言われる「和田邦坊」。その邦坊がデザインした人形の「復刻版」が完成しました。
和田邦坊が半世紀以上前にデザインした「おとぼけ人形」。善通寺市の灸まん美術館では4体の「おとぼけ人形」を展示しています。
人形には1体1体ユニークな名前が付けられています。
「おとぼけ人形」は香川県のお土産にしようと1965年ごろに和田邦坊がデザインしました。しかし、商品化とはならずにお蔵入りしました。
(灸まん美術館/西谷美紀 学芸員)
「昭和40年代に土産物として作ろうとした。土器川の石を型にして作っています。とぼけた表情のシリーズで10種類あるんですが、それぞれ『セリフを忘れた役者』とか『おどるおやじ』など個性的な名前もついています」
和田邦坊は明治時代に香川県琴平町に生まれ、時事漫画家として東京で活躍。小説「うちの女房にゃ髭がある」が大ヒットしました。その後、体調を崩したことをきっかけに地元・香川に帰って来ました。
香川ではお菓子のパッケージなどさまざまなデザインを手掛け「香川をデザインした」とも言われています。「おとぼけ人形」は香川で活躍している時期に手掛けた作品です。
その復刻版の作成を企画したのがデザインや雑誌「IKUNAS」の出版などを行う高松市の「tao.」です。
50年以上前の人形を基に、香川の伝統工芸士2人が復刻版を手掛けました。欄間彫刻の朝倉準一さんが人形の木型を作り、張子虎作りの田井艶子さんが仕上げました。
(tao./溝川美香さん)
「(Q.作るのは大変?)張り子は型が必要。木型を欄間彫刻の伝統工芸士にお願いして、もともとの『おとぼけ人形』よりも少し小さくして、自宅にでも気軽に何体も飾っていただけるように思って。コンセプトも、ストレスのある世の中に、この『おとぼけ人形』を手元に置いて楽しく悩みなくいきましょう」
和田邦坊の「おとぼけ人形」は10種類ありますが、今回は灸まん美術館に展示している4体を復刻しました。
1体7700円で高松市の讃岐おもちゃ美術館ショップや、善通寺市の灸まん美術館で販売しています。
「tao.」によりますと今後は他の種類の「おとぼけ人形」の復刻も検討しているということです。