4年前に香川県三豊市の粟島に滞在して作品を制作したインド出身のアーティストが再び島を訪れました。久しぶりに会う島の人たちと心をひとつにしたのは「あの食べ物」でした。
粟島を訪れたのは、インド出身のアーティスト、マユール・ワイェダさんと兄のトゥシャールさんです。
9日は島の人やボランティアと一緒に、インドカレーを作りました。
マユールさんは2018年と2019年に粟島に滞在し、島の人と一緒にアート作品を制作しました。
(野口真菜リポート)
「マユールさんの作品は日々島民が管理を続け、4年が経った今も、この中に展示されています」
2019年に手掛けたのが『言葉としての洞窟壁画と、鯨が酸素に生まれ変わる物語』です。
インドの少数民族「ワルリー族」出身のマユールさんが民族の伝承を洞窟の壁に緻密に描き、自然や生命の神秘を表現したものです。
制作には島の人たちも参加し、洞窟の壁の素材作りから刺繍まで5カ月かけて一緒に作りました。
(マユール・ワイェダさん)
「自分だけじゃないね。島の人もみんな一緒に作ってたからみんなの作品。島の人はファミリーになっているから、いつも日本に来たら会いたい」
今回の共同制作はアート作品ではなく「カレー」。
マユールさんがインドから持ってきたスパイスと地元産の鶏肉を使った特製のカレーを一緒に食べれば、新型コロナの影響で会えなかった4年分の心の距離はあっという間に縮まった様子でした。
(島民は―)
「インドやから会えると思ってなかったもんな。よう帰ってきてくれた」
「『おかえり』言うて飛んできた」
「『またおいで』言うたら『来る』言うけんな、『おばあが生きとる間においでよ』言うて」
「『ほんまはよ来てな』言うてあるんやけど」