絶滅が危惧される希少な淡水魚「スイゲンゼニタナゴ」。瀬戸内市の会社が繁殖に成功しました。
スイゲンゼニタナゴの稚魚の体長は約1cm。
大人のオスは、くっきりしたブルーのラインが印象的です。スイゲンゼニタナゴは岡山・広島の限られた水辺に生息しています。
河川改修の影響に加え、近年は外来のタナゴとの交雑が進んでいます。環境省のレッドリストでは、ごく近い将来絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧ⅠA類」となっています。種の保存法で「国内希少野生動植物種」に指定され、捕獲・飼育・販売などは禁止されています。(個人の場合、最大で5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金)
瀬戸内市で電子部品の製造などをしている岡山村田製作所は環境省から依頼され、2023年から敷地内のビオトープでスイゲンゼニタナゴを飼育しています。
6月19日、水中に設置していたカメラに小さな魚が映り、25日に専門家が現地を訪れスイゲンゼニタナゴであると確認しました。
(岡山村田製作所 ファシリティ課/吉永光希さん)
「繁殖はすごく難しいという話を聞いていましたし、稚魚が出たことにすごく感動しました。毎日仕事場に来て、まずこの子がちゃんと生きているかどうか確認して。(Q.心配ですよね)心配ですね、かわいさもそうですけど、心配が今は勝っている」
タナゴのメスの産卵は二枚貝の出水管という管に産卵管を差し込み、貝のエラに卵を産みつける独特のものです。
民間企業のビオトープで飼育したスイゲンゼニタナゴが繁殖したのは初めてだということです。