2024年1月、香川県丸亀市の離島「広島」にカフェスペースを備えた船の待合所がオープンしました。新たな憩いの場を盛り上げるのは、移住した若者たちです。
(野口真菜リポート)
「今から向かうのは丸亀市の広島。地元の方からは『さぬき広島』と呼ばれています。ここに、新たな交流スポットが誕生しました!」
丸亀港から船で約20分、人口150人ほどの広島。(人口146人 1月1日時点)
1月26日、島の玄関口江の浦港の待合所がリニューアルオープンしました。この待合所は島の新たな交流拠点にしようと丸亀市などが手がけました。
特徴の一つが「カフェスペース」を併設していることです。
ここでは島特産の「青木石」の石臼でひくコーヒーや、生地から手作りし、イノシシ肉など島の恵みをたっぷり使ったピザなどを提供します。
(島の人は―)
「おいしいです、温かくて。初めて、こんなできたては」
商店やカフェがないこの島に、新たな憩いの場が生まれました。
待合所の管理・運営を任されたのが、2023年3月にこの島に移住した大学4年生の佐々原悠馬さんです。
佐々原さんはこれまで、商店がない広島に週に一度やってくる移動販売を手伝うなど島民と交流してきました。そして島の活性化について研究し、卒業論文にまとめました。
(待合所を運営・管理/佐々原悠馬さん)
「地域づくりに関わりたいっていうのもあったし、島民の皆さんの温かさもあるし、いろんな方の協力がある中で、自分のしたい活動ができて、それが仕事につながったので」
ピザ作りから運営までを担う佐々原さんは、島に住み続けることを決意。大学卒業より一足早く、島で「社会人デビュー」しました。
(待合所を運営・管理/佐々原悠馬さん)
「このカフェのオープンを機に、『島暮らし第2章スタート』みたいな感じで新しくスタートを切れたので、ますます島民の皆さんと一緒に楽しく過ごしていけたらなと思っています」
若者の協力はほかにも……。
看板やロゴなどのデザインを担当したのは、広島に住む若手アーティストたちです。
2人は学生時代、丸亀市の離島で滞在制作をするアートプロジェクトに参加。これがきっかけとなり、「広島」に移住しました。
(広島に住んで8年/斉藤茉莉さん)
「(Q.島に住んで何年?)この4月から9年目に入ります。ただ歩いてるだけで都会にはない魅力的なモチーフがいっぱいあるので、(インスピレーションが)尽きないです」
(広島に住んで4年/田嶋里菜さん)
「海も近いし展望デッキもできたので、そこから見てもらったら、より一層きれいに見えるかなと思います」
丸亀市は、2月29日まで広島を含む塩飽諸島への3つの航路の旅客運賃を無料にするキャンペーンを行っています。
(待合所のカフェ…土・日・祝日 営業)