ハンセン病問題に対する正しい理解を広めるための協議会が22日、岡山市で開かれました。
「岡山県ハンセン病問題対策協議会」には、瀬戸内市にある2つの国立ハンセン病療養所の入所者や園長、岡山県の担当者ら12人の委員が出席しました。
岡山県は2023年度、県内の小・中学校と高校、合わせて10校で入所者による講演会を開催したと報告しました。
語り部の高齢化が進む中で、若い世代にハンセン病問題をどのように伝え、さまざまな差別・偏見の解消につなげていくのかが課題となっています。
(長島愛生園入所者自治会/中尾伸治 会長)
「現場を見ていただく、そういう方向にしていってほしい。話を聞くよりも愛生園に来てくださいと言っています」
(長島愛生園/山本典良 園長)
「今回コロナ禍で、病気に対する偏見・差別を繰り返した。偏見・差別を解消する世の中をつくるためにこの協議会がどれだけできるか私も含めて考えていきたい」
(岡山大学大学院教育学研究科/桑原敏典 教授)
「啓発を超えて、一人ひとりが行動できるようにするためにはどうすればいいかということを考えていく段階にきている」
邑久光明園入所者の屋猛司さんは、子どもたちへの「教育の継続」が重要だと話します。
(邑久光明園入所者自治会/屋猛司 会長)
「(ハンセン病問題を学んだ)その子たちが大きくなって大人になって子どもたちに教えていく、根付くような啓発、これをやるとどんどん伸びていくだろうと」
県では2024年度、岡山大学大学院教育学研究科と連携し、若者向けの啓発動画を制作するとしています。