岡山県の中学生が瀬戸内市のハンセン病療養所を訪ね、強制隔離や差別・偏見の歴史について学びました。
(日生中学校/久次博文 教頭)
「ここ(収容桟橋)は、お別れの場所なんよな。家族と別れる場所、大好きな人と別れる場所、社会と別れる場所なんよな。できたら次世代、次のみんなの世代なんだけどみんながこうやって話をしてくれたらいいなと思っています」
瀬戸内市の「長島愛生園」を訪ねたのは、備前市の日生中学校の3年生約20人です。
国の誤った法律によって約90年にもおよんだハンセン病の強制隔離政策。長年、入所者と交流を続けてきた久次教頭が、その歴史を伝える場所を案内しました。
納骨堂には、いわれのない差別や偏見によって故郷や家族の元に帰れないまま亡くなった多くの入所者が眠っています。
フィールドワークの途中で、14歳の頃に入所した中尾伸治さん(89)が声を掛けてくれました。
(長島愛生園入所者/中尾伸治さん)
「先生に言って、また泊まりがけで来たらいいわ。宿舎がありますから」
長島愛生園の入所者は現在90人。平均年齢は86歳を超えています。
(訪れた生徒は―)
「身近なところにあるからこそ深掘りして知ることがなかったので、新たな発見や気づきがたくさんあっていい機会になりました」
「授業で展示作品を作って地元で発信して後世に伝えていきたいと思います」