2012年に岡山操山高校の男子生徒が自殺した問題で、岡山県教育委員会は20日、再発防止策の案を公表し、外部の有識者に説明しました。
この問題は、2012年7月に岡山操山高校の野球部のマネージャーだった当時2年生の男子生徒が、監督から厳しい叱責を受けた後に自殺したものです。
岡山県教委は20日、精神科医や弁護士ら4人の外部有識者を集めた会合を開き、再発防止策の案について説明しました。
案には、教職員向けの体罰防止ハンドブックを改訂して具体的な事例を示すことや、生徒や保護者に体罰やハラスメントに関する動画を視聴してもらうことなどが盛り込まれています。
また、教職員の懲戒処分の指針を見直し、ハラスメントなどが特に悪質な場合は免職にするとしています。そして、防止策の効果を検証するため、毎年、生徒らにアンケート調査をする考えです。
有識者からは「対策が具体的でない箇所がある」「ハラスメントや不適切指導の実態をアンケートで把握できるのか」などの意見が出ました。
県教委は、有識者の意見を踏まえた上で6月には再発防止策を実施したいとしています。
(ひょうご こころの医療センター/田中 究 院長)
「同じようなことが全国各地で起こっているができる限り未然に防ぎたいし、それをどのようにキャッチできるのかとか非常に重要な事なので、起きる前に何ができるのか、そういう仕組み、あるいは提言になるようなことがあればなと思っています」
傍聴した男子生徒の父親は、「再発防止策の案が公開されたことは大きな前進」とした一方で、「事前に意見を提出したが具体的な部分が全く反映されていない」と話しました。
(男子生徒の父親)
「パワハラ・体罰が息子の自殺の原因と認定された調査報告書の完成後も、引き続き県教委は問題点に向き合うことなく責任を曖昧にしたまま早期に幕引きを図ろうとする姿勢を崩さない。バイアスがかからない外部有識者からの公正・中立な意見をいただき、実効性のある再発防止策の策定が迅速に進むよう願っています」