夏の高校野球・岡山大会。岡山工には、かつて同じポジションでチームをけん引した、兄の背中を追うキャッチャーがいます。
岡山工業の4番・キャッチャー、大橋斗輝。1回戦、大橋は巧みなリードで相手打線を0点に抑え、4番としては、値千金の決勝タイムリーを放つなど、勝利に貢献しました。
そんな大橋をスタンドで見守るのは、兄の賢士郎さん。4年前の夏、岡工の「4番・キャッチャー」として2回戦で、先制タイムリーを放つなどベスト16の原動力となりました。
(岡山工/大橋斗輝 選手 [3年])
「その試合見に行ったんですよ。甲子園がないにもかかわらず、チーム全体で1勝をしようっていう気持ちがスタンドまで伝わってきて」
(大橋の兄/賢士郎さん)
「めちゃくちゃ真面目で努力するやつなんで、この大会までもひっそりと練習してきた姿を見てきたので、この大会しっかり打ってしっかり守ってくれたら」
4年の時を越え、兄と同じベスト16へ。
岡工は1回、2アウト1塁で大橋の第1打席。
(大橋の兄/賢士郎さん)
「お前が打たなきゃ誰が打つ、かっ飛ばせ、斗輝!」
ここは三振に倒れます。
(大橋の兄/賢士郎さん)
「まだ緊張しているんですかね、思ったようなバッティングがこれからできたらと思う」
先制を許し、苦しい場面が続く岡工。大橋は後輩のピッチャーに声をかけながら、1つずつアウトを取っていきます。
中学に野球部がなく、家で兄と練習する日々。キャッチャーを始めた高1の秋、兄からもらったミットは、ぼろぼろになるまで使い続け、今も、家に飾っています。
5点を追う8回。2アウト2塁1塁のチャンスで4番・大橋……!
ベスト16とはなりませんでしたが、4年前の大橋と同じように、兄の賢士郎さんにも心に響くものがあったようです。
(大橋の兄/賢士郎さん)
「幼いころのキャッチボールとか僕が手加減して投げていたんですけど、弟の成長をもろに感じましたし、これからの弟君に斗輝に期待しています」
(岡山工/大橋斗輝 選手)
「もう、かかせない存在ですね。自分が最初できないなりにお兄ちゃんがサポートしてくれたので、そこはもうお兄ちゃんには感謝している。まあ……もう1戦ぐらい勝つ姿見せたいなと思いました」