公費での血液検査は全国で初めてです。岡山県吉備中央町の浄水場から有害性が指摘されている有機フッ素化合物・PFASが検出された問題で、吉備中央町が25日住民らの血液検査を始めました。
25日に始まったPFASの血中濃度検査は、これまでに希望した790人が対象です。
13歳以上の採血は12月1日まで町の施設などで行い、2~12歳までは12月1日と12月8日に医療機関で行います。
(血液検査を受けた人は―)
「この結果で(町に)対応をしてもらえたらいいかなと思う」
「(検査で)少し気持ちが落ち着くかなと思う。家族全員健康でいられたらいいなと思う」
この問題は、2020~2022年までの3年間、吉備中央町の円城浄水場から国の暫定目標値を大きく上回る有機フッ素化合物「PFAS」が検出されたものです。
これについて町は県に報告するなどの対応をしていませんでした。
PFASの発生源について、町が設置した有識者委員会は2024年9月「浄水場の水源近くに置かれていた使用済みの活性炭と考えるのが妥当だ」と町に報告しました。
町は使用済み活性炭を置いていた企業に対し損害賠償を求めて請求書を送っています。
今回の血液検査は住民らの要望を受け町が行うものです。公費での血液検査は全国で初めてです。検査結果や健康への影響については岡山大学などに分析を依頼しています。
(吉備中央町/山本雅則 町長)
「検査を受けて数値が高い人だけではなくて、地域の方、飲まれた方は何らか多少なりとも不安や恐れがある。その不安の軽減に努めていきたい」
検査結果は2025年1月までに郵送で伝えます。町は5年後に再び血液検査をする予定です。