岡山県吉備中央町の浄水場から有害性が指摘されている有機フッ素化合物が検出された問題です。町が住民らに行った血液検査の結果を公表し、健康リスクに関する数値がアメリカの指針で示されているものより高かったことが分かりました。
(吉備中央町/山本雅則 町長)
「思った以上に高いなというのが率直な気持ちでございます。心配を受け止めて寄り添うということをやっていこうと思います」
この問題は岡山県吉備中央町の円城浄水場で2020年から2022年までの3年間、国の暫定目標値を大きく上回る有機フッ素化合物が検出されたものです。
町は、健康への影響について調べるため、2024年11月から希望者を対象に全国で初めて公費で血液検査を行っています。
そして、28日、2024年11月と12月に行った709人分の血液検査の結果を公表しました。
それによりますと、血液1mLの中に含まれていた7種類の有機フッ素化合物の合計の量は平均で151.5ngでした。
アメリカの学術機関の指針が健康に影響するリスクが高まるとしている20ngを大幅に超えています。
年齢別にみると、13歳以上の約88%、12歳以下の82%ほどが、20ngを超えていました。
結果の分析をした岡山大学の頼藤貴志教授は「予想通り高い値だった」「今後は、居住地、年齢、性別などによる濃度の違いや疾病との関係を評価する予定」などとコメントしています。
町は、住民らに対して結果を通知する書面を27日に発送したほか、2月16日には住民説明会を開くとしています。また、追跡調査のため5年後に再び血液検査をする予定です。