ニュース

サイレンを「振動」に変換 聴覚障害者向けにApple Watch用アプリを開発 岡山大病院など

ADVERTISEMENT

ADVERTISEMENT


 岡山大学病院聴覚支援センターの片岡祐子准教授は、情報技術開発(東京)と共同で、聴覚障害者向けの緊急情報提供アプリ、「D-HELO(ディー・ヒーロー)」を開発し、27日からアプリサイトで一般向けの無料ダウンロードを開始しました。

 Apple Watchのマイクがサイレンの音を拾い、振動やディスプレイでユーザーに通知する機能を備えており、聴覚に障害があってもリアルタイムで緊急情報を得ることができます。音声データをAIに機械学習させ、日常音の中からサイレンなどの緊急音声を認識して検知できるよう開発しました。
 2023年度に聴覚障害者40人を対象に実証実験を行い、音を感知する精度や反応時間、使用感などを検証したということです。

 片岡准教授によりますと、災害の第一報は音声で伝えることが多いため、聴覚障害者の72%が警報やサイレンなどの情報入手に困難を感じた経験があるということです。常に体に装着しているApple Watchが振動を伝えることで「身近な危険」を察知できるようになると考えました。

 アプリ開発の背景には、1950年に岡山盲聾学校の寄宿舎で夜中に火事が起きて聴覚障害の生徒16人が亡くなった事故があるそうです。片岡准教授は「誰もが安全に安心して暮らせる社会を目指す」と話しています。

関連ニュース

全国ニュース(ANN NEWS)

新着ニュース