春夏通じて初めての甲子園出場を目指している大手前高松高校の野球部。このチームを2025年8月からプロ野球・楽天の元監督が指導していて、選手が刺激を受けています。
(平石洋介さん)
「行っといて戻るとか、見逃した、戻る、とかあるやん。最後の空間というのをもっと大事にしてほしい。みんな小さく小さく行ったら空間がなくなってしまう」
大手前高松のグラウンドで真剣な表情で球児に指導する男性。プロ野球・楽天で外野手として活躍し、引退後に監督やコーチを務めた平石洋介さんです。
平石さんは2025年8月以降、ほぼ毎月香川を訪れ、野球部を指導しています。
(平石洋介さん)
「例えばウォーミングアップの体の使い方もそうですし、例えばバットを振るということに対しても最初来た時よりは、監督コーチもそう思ってくれていると思うんですけど意識は変わってきている」
平石さんにオファーしたのは、金崎泰英監督です。金崎監督は、平石さんと同じ時期に楽天に在籍し、コンディショニングコーチを務めました。
(大手前高松高校 野球部/金崎泰英 監督)
「プロ野球の人たちの考えとかやり方を知ることも、もしかすると自分たちの特長になるんじゃないかと思ってお願いしました」
平石さんは、ただ指示を出すのではなく、球児と一緒に動くなど同じ目線でアドバイスしています。
(平石洋介さん)
「一方通行だけは絶対嫌なので。コミュニケーションをしっかりとれたらいいなと思っています」
プロで活躍した平石さんの指導は、球児にとって大きな刺激になっています。
(大手前高松高校/中岡颯也 主将)
「すごい分かりやすくて的確なことを言ってくれるので、チームとしてプラスになる」
(大手前高松高校/山下斗慎 副主将)
「昔から小学校の頃から(平石さんと同じ)外野手をしているんですけど、聞いたことない話だったり僕が思ってもなかったことを教えてくれたのでとてもプラスになりました」
平石さんが練習を通して伝えたいことの一つが、「野球は失敗が多いスポーツ、だからこそ思い切ってプレーしてほしい」ということです。
(平石洋介さん)
「今までアイデアがここしかないんだったら広げていこうよ。色んな経験を増やしていって。そしたら自分が冷静に判断できたりすることもあるんで。とにかく『やる勇気』をまずみんな持つこと。失敗を絶対恐れない」
高校野球の大会は、「一回負けたら終わり」という大きな緊張感があります。だからこそ、今後につながるように自分らしいプレーを出すことが重要になってくると平石さんは考えています。
(平石洋介さん)
「失敗しないための準備とか上手くなるための練習とかはするんですけど、それでも上手くいかないことはいっぱいありますので、どう次に向かうかが大事。思い切ってトライしてほしいんですよね。そこが一番です」
大手前高松は、2025年夏の香川県大会で初戦敗退。悔しい思いをしたからこそ、選手たちは課題意識を持って次の夏を見つめます。
(大手前高松高校/中岡颯也 主将)
「特に走塁という部分を平石さんに教えてもらったので、走塁をカギに自分たちの夏を戦っていきたい」