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介護の母“殺害”息子に懲役8年求刑 近隣住民が見た被告の姿

社会

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 長年にわたって介護していた92歳の母親を殺害した罪に問われている男の裁判。検察側は懲役8年を求刑しました。

■介護の母“殺害”息子に懲役8年求刑

前原英邦被告 「私は母を殺害するという取り返しのつかないことをしてしまいました。どのように償うべきか思うだけです」

 介護していた92歳の母親の首を絞めて殺害した罪に問われた61歳の息子・前原被告。

 検察側は「殺人罪」が成立するとして懲役8年を求刑しました。

 被告は事件の数日前に母・房子さんから「楽にしてちょうだい」などと殺害を依頼されたと主張していましたが…。

検察側 「(重度の認知症で)母親は殺害を依頼できる状況になく、被告も認識していた。経済的な破綻から自殺を決意し、無理心中を図ろうとしたものです」

 これまでの裁判では、前原被告の生活の困窮ぶりが明らかになっています。介護費用だけでなく、借金も抱えていて、毎月約20万円の赤字が出ていたとみられます。

 前原被告は母・房子さんが脳梗塞(こうそく)に倒れると仕事を辞め、介護生活に専念するようになりました。近所付き合いもなかったといいます。

近くに住む人 「ずっと長い間、雨戸も閉めてあるし、人がいるのかいないのか」 「(Q.息子が母親を介護していた?)全然、分からない。外に出てきてないと思う。ほとんど見てない」

 経済的な負担がのしかかる一方で、母への気遣いも見られたといいます。

近くに住む人 「介護の車が入りやすいように駐車場の砂利をコンクリートで埋めていた。経済的に困窮しているとは思わなかった」

 検察は経済的困窮が追い詰めた末の犯行だったと指摘。殺人罪が成立するとして懲役8年を求刑しました。

■執行猶予の有無は?記者が解説

 一方、弁護側は母親の意を汲んだ「同意殺人罪」が成立すると執行猶予付きの判決を求めました。

社会部(司法担当) 古賀康之記者 「執行猶予が付くためには弁護側が主張する同意殺人罪の成立が必須と思われます。そのためには、母親が殺害を依頼したと前原被告が信じたかどうかになりますが、裁判官と裁判員は供述や他の証拠と比べながら判断していくことになります」

 判決は来月9日に言い渡される予定です。

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