テレビ朝日は「未来をここから」プロジェクトの一環で、23日からSDGs企画をお伝えします。今回のテーマは「つくる責任つかう責任」です。資源の循環と経済成長の両立を図るサーキュラーエコノミー。その最前線となるリサイクル工場を取材しました。
■産業廃棄物 新たな資源へ
訪ねたのは、千葉県富津市のリサイクル工場。
サイクラーズ 経営戦略本部長 山田晃一さん 「あそこでギロチンでカットする。ギロチンシャーと独特な名前なんです」
各地から集まる産業廃棄物が、ここで新たな資源へと生まれ変わります。
金属は種類ごとに分けられます。こちらは銅です。
サイクラーズ 経営戦略本部長 山田晃一さん 「(Q.銅はどういう物に含まれている?)当然、色んな物に入っていますが、エアコンが多いですかね。サーキュラーエコノミーが日本として必要となるので、大義を感じて仕事をしています」
■サーキュラーエコノミーの重要性
サーキュラーエコノミーとは、生産、消費したものをリサイクルして、資源を循環させる仕組みのこと。
ミリ単位にまで砕いたのは、金、銀、銅が混ざり合った金属「ミックスメタル」です。
プラスチックは、燃料として再利用することで廃棄物の削減につなげています。
専門家は、このサーキュラーエコノミーの重要性を訴えます。
ジャパン・アクティベーション・キャピタル 磯貝友紀さん 「人々が豊かな生活を求めるほど地球の限界に達することが予測される。材料も足りなくなるし、ゴミもどんどん増え処理が追い付かなくなる。便利な生活を地球の限界というなかで実現していくためには、サーキュラーエコノミーが必然になっていく」
ただ、課題もあります。磯貝氏によると、日本の電子機器のリサイクル率は22%。欧州の半分の水準です。さらに…。
ジャパン・アクティベーション・キャピタル 磯貝友紀さん 「サーキュラーエコノミーは資源の争奪戦。中国やアメリカも法律を作っている。自国で作ったものを輸出してその資源が流出しないように日本は法律がないから(資源が)どんどん流出」
政府も今後、自治体と連携して、資源回収と再利用の仕組みを整える方針です。また、資源を有効的に活用するために私たちの意識を変えることも大事だといいます。
ジャパン・アクティベーション・キャピタル 磯貝友紀さん 「最近、家電量販店が小型家電回収サービスを始めているので、意識を持って小型家電のリサイクルに取り組むと良い」
■使わない家具に新価値
今回、取材した会社では、使わなくなった家具にもデザイナーが新たな価値を加えています。
enloop 東條鈴菜さん 「古いタンスの引き出しにこの椅子の脚を付けて高さのある収納に作り変えています」
懐かしの教室の椅子も、色を塗り直してリメイクしました。
サイクラーズ 経営戦略本部長 山田晃一さん 「(廃棄物は)お金をもらってリサイクルするので、マイナスの価値になってしまう。例えば1万円でこれを売ると1万円の価値に変わるので、すごく重要」
私たちの未来のために、限りある資源を使い続けることが持続可能な社会をつくるカギとなります。