国連の安全保障理事会はソマリアから一方的に独立を宣言した「ソマリランド」をイスラエルが国家承認したことについて緊急会合を行い、各国から非難が相次ぎました。
ソマリランドは1991年にアフリカ東部のソマリアで社会主義政権が崩壊したのをきっかけに一方的に独立を宣言しました。
イスラエルが26日、国連加盟国で初めてソマリランドの国家承認を発表したことを受けて安全保障理事会は29日、緊急会合を開きました。
ソマリアの代表は、イスラエルのソマリランド承認について「アフリカの角の安定を脅かす」と警告したうえで「国連憲章やアフリカ連合の基本原則、国際法に対する直接的な違反だ」として、すべての国連加盟国に明確に非難するよう呼び掛けました。
一方で、イスラエルは「国際法に合致し、長年にわたり確立された現実に対する合法的かつ原則的な承認だ」と反発しました。
イギリスや中国をはじめアフリカやアラブ、イスラム諸国などが承認を拒否する姿勢を示すなか、イスラエルを支持するアメリカの代表は「イスラエルは他の主権国家と同様に外交関係を結ぶ権利がある」と擁護する姿勢を見せましたが、「アメリカの政策に変更はない」と述べ、ソマリアの主権を引き続き支持する姿勢を示しました。