刑務所での作業から生まれる製品の売上が劇的に伸びています。その開発の裏には受刑者の更生を担う専門官の努力がありました。
「さしかかる時ゆっくり、そうそうゆっくり。ずれそうになったら押さえを」
東京・府中刑務所で行われている裁縫作業。アドバイスをしているのは指導歴14年の高橋和志さんです。
作業専門官 高橋和志さん 「受刑者一人ひとりの気持ちもくみながら接しています」
受刑者が作った刑務作業製品はかばんや家具などに加えて、せっけんやパスタなどが爆発的なヒットを記録し、ここ数年、右肩上がりで売り上げを伸ばしています。
次なるヒット作に向けて、年1回、優れた新製品を選ぶコンクールが開かれます。高橋さんも出品する一人です。
指導の合間を縫って考え出したのは、肩にかけて使う「メッセンジャーバッグ」です。
高橋さん 「悪天候の中でも使えるっていうところをポイントにして」
過去に表彰歴もある高橋さんが狙うのは最優秀賞です。
迎えた関東地区のコンクール当日。棚や名刺入れから熊おどしまで、全部で100製品以上が並びました。
高橋さん 「このバッグ一つでどこにでも行ける機能性をコンセプトにして開発しました。製品を使ってくれるユーザーさんのことを考えながら作るということを徹底していて」
果たしてその結果は…。
「審査員特別賞、メッセンジャーバッグ」
高橋さん 「目指していたところが最優秀賞になりますので、ちょっと悔しい気持ちがあります」
それでも目指し続けるのは、ものづくりを通じた受刑者の更生です。
高橋さん 「もう少し詰めていってより良い製品を作っていきたい。ものづくりを通して社会復帰につながる指導ができる作業専門官として、今後も頑張っていきたい」